番外編 その3 堕ちた神官
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。m(_ _)m
今日は、『悪役令嬢は大航海時代をご所望です』の書籍版が届いたので、執筆はお休みです。
カサイサンの次回作にご期待ください。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
「お母さん!」
「リルカ!」
うるさい!うるさい!
暴れる小娘を脇に抱えて、護身用のナイフを突きつけるとようやく動きを止めたな。最初から大人しくしておれば良いものを!
まったく、どうしてこうなったのか!
聖女候補の小娘と神器を手に入れ、これからという時に忌々しい!
わしは、こんな辺境で終わるような器ではないのだ!
そうとも!わしの手で聖女を作り出し、神器を自在に操れれば、もう一度王都の大神殿に返り咲けるはず!
いや、最高神官にさえなれるやもしれぬな!
些細な罪でわしを追放した連中を見返してやるのだ!
まったく、少しばかりの金を懐に入れたことや、下級神官の女に手を出し、口封じした程度で辺境に左遷するとは、高貴な血筋をなんだと思っているのだ!?わしは侯爵家の直系だぞ?
そのわしが、こんなところで躓いていいはずがない!
小娘に言うことを聞かせるための人質が逃げ出したのは誤算だったが、小娘はまだわしの手の中。それに神器の鏡も肌身離さず持っている。
わしの運が尽きたわけではないのだからな!
「動くなよ?動いたら、お前たちの娘の顔に消えない傷が残ることになるぞ?」
驚き、愕然とする母親と悔しそうに歯噛みする父親。
はっはっは!ようやく自分達の立場が分かったようだな!
ニヤリと笑って、命じてやるのだ!
「さあ分かったら、自分たちのいるべき場所に戻れ!娘の命が惜しければな!」
「ミキュー様……いったいどうすれば……?」
ミキューだと?
夫婦の足元に目をやると、リスのような子猫のような不思議な生き物がいた。
ミキューと言えば、地母神様の眷属にそんな名があったか……?
だが、あんな小さな体で何ができよう。
それに地母神様の眷属がこんな所にいるはずもない!
鼻で笑ってやったわ!
『むっかー!今、ミキューのことを馬鹿にしたみゅね?
人間の分際で腹立つみゅー!
お前なんか、一瞬で八つ裂きにしてやるみゅ!……と言いたいところだけど。
ここは新たな神、ミルラーナ様にお任せするみゅ。
みゅっふっふ。まだミキューに八つ裂きにされる方が幸せだったかもしれないみゅよ?
真の神の断罪は甘くないみゅ!』
わしを指差して地団駄を踏んだと思ったら、一転哀れみの目を向けてきおった。
その指差さされた一瞬で恐ろしい気配を感じ、わしは腰が抜け、床に膝をついてしまったのだが……。
かろうじて小娘は離さないでいられたが……まさか、まさか本物の眷属なのか⁈
なぜこんな所に!?
背中を冷や汗が流れて止まらない。
しかも、今なんと言っていた?
新たな神に断罪を任せると?
震える頭で考えていると……。
『ありがとう、ミキューさん。
あとはわたしの仕事ですね。』
美しい女の声が聞こえたかと思うと、視界が黄金の光に包まれたのだ。
腐った神官があらわれた!
コマンド?
>ボコる
キュッ!と絞める
汚物は消毒する(火炎放射器で。ヒャッハー!)
一回逃してからじわじわ追い詰める(ハッハッハッ、どこへ行こうというのかね?)




