愛護神 その18 解き放たれる魂たち
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。m(_ _)m
結局、微熱が出まして、お仕事は休みました。検査はしたので、コロナやインフルでは無さそうです。
もう一日お休みをもらったので、その間にしっかり治して出勤したいですね。
皆さま方もお気をつけて。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
ユルさんにギリギリと絞られていた下半身が崩れていったのですよ。
バランスを崩して視線が外れるエルウィナスと、こちらも力余って湖(即席)に倒れかかるユルさん。
そして。
湖(即席)の中でも溶け崩れる蛇体。
言ってみれば、神気を込められた水で作られた湖ですからね。大量の聖水に浸されたようなもの。
それでも、エルウィナスが万全の状態であれば、ここまでの効果は出なかったと思うのですが。
複合した浄化を受けて抵抗力か無くなっている今だからこそ、その効果は抜群なのです!
おや? 溶け崩れた蛇体から半透明の何かが現れたのですよ。
あれは……数羽の白鳥ですか?
あと、小さな光の粒が多数、空へと昇っていくのです。
ハッとして、オデットさんを見ると。
彼女は歌いながら涙を流していたのですよ。
……ようやく、かつての兄弟たちをエルウィナスの呪縛から解き放つことができたのですね……。
空に溶けるように消えていく白鳥たち。
(……アリガトウ……)
感謝の言葉が聞こえたような気がしたのです。
うんうん。特別大サービスですからね!
感謝するのですよ?
なんて、自分の力ではないですけどね。
兎も角、よくやった! オデットさん!
そして、技芸神様に眷属さん、玉兎パイセンたちもありがとうなのです!
ついでにルーナ様も!
『ついでなの⁈』
抗議の声はスルーして。
エルウィナスの力の源として考えられるのは主に二つ。
一つは、自身の呪い。
自分を封印した神々を呪い、眷属たちを呪い、あまつさえ自分自身すら呪って脅威的な魔力と回復力を得ていたのです。
そしてもう一つが、瘴気や呪詛に犯された神獣、黒鳥たちの体と魂を取り込んで力にしていたと思われるのですよ。
あるいは、死の砂漠でかつて存在し、神威によって滅んだという国の人々の怨嗟の声すらかき集めていたのかも。
それらが、みんなの浄化によって清められ、消滅したのです。
エルウィナス自身の呪いは解除できないにしても、これで残るは本体の力のみ。
もとの大怪獣からは半分くらいの体格になり、下半身も失ったのですが、それでも残った翼を広げて体勢を立て直すエルウィナス。
また、自分を呪ったのか、今度は蛇ではなく蹄を持つ動物の脚を生やしたのです!
なかなかにしぶといですね!
でも、そろそろ王手をかけるべきですか?充分に削れたかな?
よろしい。
それじゃあ、最後の詰めといくのです!
リル、ラン、レイ、オデット、ユルン、グルン!
わたしの眷属たちよ! お前たちの力を借りるのです!




