間話 その54 迦陵頻伽 現れた救い主
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
迦陵頻伽は技芸神の眷属で、レイちゃんの進化先選定時に後書きで名前だけ出てきた人?です。さてさて迦陵頻伽さんは何をするのでしょうか。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
堅固な城壁に魔物の群れがぶつかっては弾き返されておりまする。まるで、岸壁に打ち付ける波のように。
ここは死の砂漠を囲う大森林のそばにある城塞都市。
師匠である技芸神様からのご指示のもと、この街でミラ様のことを人々に広めてまいりましたが、まさか魔物のスタンピードに巻き込まれるとは……。
この都市は、魔物素材や薬草類などの採取の根拠地ですから、かき集めれば戦力はそれなりに集まりましょう。ですが、自分の命大事の浮き草たちに、命懸けで街の人たちを守る気概が果たしてありましょうや?
今も兵士たちに混じって、城壁の上から矢を射たり、魔法の火球を放つ冒険者らしき姿がいくらかはありますが、多くの者はすでに腰がひけておりますわね。
しかもさらに追い打ちが……。
少し離れた森の木々を倒しながら現れたのは、オーガロード?
通常のオーガ種よりもさらに大型の魔物ですわね。
城壁よりは少しばかり低いものの、長槍を立てたよりは背が高く、全身を鎧う筋肉の束に、手に持つはいずこで手に入れたのか金属で補強された巨大な棍棒。
あれで叩かれては門も長くは保たないでしょう。
オーガロードとその取り巻きたちの姿を見て、どよめく兵士たち。
士気が崩れては救援も間に合わなくなりましょう。
仕方ない、ここは戦意を鼓舞する歌でも唄いましょうか。と、楽器を構えたその時。
彼方から飛来した何者かによって、オーガロードの首が冗談のようにパックリと裂け、切り落とされたのでございます。
城壁上からは驚きと喜びが混ざる歓声があがりました。
オーガロードの首を落としたのは、赤い鱗鎧を着た小柄な少女。
背に小さな翼を持ち、額からは美しい短剣のような角を生やした、うさぎの耳を持つ神獣。
この方が亜神ミルラーナ様の妹君。地母神様の眷属、リル様でございますね。
リル様は宙にとどまったまま、周囲に聞こえるように念話で話されました。神獣の膨大な魔力であれば、この城塞都市丸ごと範囲に入れることも簡単なことでしょう。
『みんな〜〜!リルが来たからには、もう安心なの!
わたしは亜神であるミラお姉ちゃんの妹分の神獣、リルなの!
お姉ちゃんに言われてこの街を助けにきたから、ここはリルに任せて欲しいのよ?』
ざわめきが広がっていきますが、多くの者は半信半疑といったところ。
オーガロードを倒した者が、可愛らしい女の子の姿であるのことも理由でしょうか。
ここはひとつ、ご助力いたしましょう。
「おお!新たなる神が我らに救い主を使わしたもう!
亜神ミルラーナ様と、その妹君に感謝し奉りまする!」
弦をかき鳴らし言葉に魔力を乗せれば、ざわめきはいつしか大歓声に変わっていきました。
……なに、洗脳というほどのことではございませぬ。
ただ、暗示を与え思考を誘導したまでのこと。
歓声に応えつつも、わたしを見たリル様はわたしにだけ念話で話しかけてきました。
『お姉さんは技芸神様の眷属なのね?
協力してくれて、ありがとうなの!』
いえいえ、どういたしまして。
ニッコリと微笑み、目と表情で応えます。
身を翻して、魔物たちに向かっていくリル様。
それから数分のうちに魔物たちは蹂躙され、森に追い返されていきました。
『ここは終わったから次のところに行くの!
この魔物たちは封印から蘇った悪い神様に追い散らされてきたの。
今、ミラお姉ちゃんはその悪い神様と戦っているの。
だから、みんなもミラお姉ちゃんに祈って力を届けて欲しいの!お願いね!』
すると、わたしたちの脳裏にミラ様のお姿が浮かびました。
輝くピンクブロンドの髪。
生命力に溢れ、慈愛をたたえた深紅の瞳。
二本の龍角とうさぎの耳、そして黄金の翼。
人とは違う異形でありながらも、そこに嫌悪感などはなく、ただただ神々しく美しい。
この方がミラ様……なのですね。
思わず感嘆のため息がこぼれます。
周囲には膝をつき、手を組んで祈る者たちも。
そして、飛び去っていくリル様。
都市からは感謝を告げる声が多くかけられておりまする。
フフフ、この分ならこれ以上は誘導しなくても信仰は集まりそうですわね。
⬜︎マサガ3、一周目クリア!
最初の主人公はカタリナさんでした。
さあ二周目、強くてニューゲームの始まりだ!
誰にしよっかなぁ〜♪(*^▽^*)
やっぱりモニカ姫か?前にどっかで書きましたが、小林智美さんが描いたモニカの原典イラストがミラさんのイメージ画像のひとつだったりします。




