神兎 その116 複合属性、ラーヴァブレス!
いつも、つまらぬ作品を見ているとは暇なやつらだな。
まあ、我の妹分であるミラは可愛いから、見たくなる気持ちは分からんわけではないが。
ただし!可愛いミラに不届きなことをしようなどとは考えるなよ?……まったく、我は月神に嫁ぐことだって認めていないのに、勝手に決めてしまうのだから主様にも困ったものだ。
兎も角、これからもミラたちの活躍を見守ってもらおうか。あくまでも見守るだけだぞ?
『……そうですね。やってみましょうか。
フラム!久方ぶりにアレをやりますよ?
ウォルトとマナは、わたしたちの後に。
皆、行けますね?』
『おう!アレだな?大姉!タイミングは任せるぜ!』
『はい、お姉様。マナ、行けますね?』』
『うむ、分かった水姉様。我ら二人の力を合わせれば、馬鹿女神の守りなど紙のようなもの。馬鹿女〝神”だけにな!』
……なんだか、お母様たち龍王姉妹の関係性が分かってきたような気が。少なくともオチ担当ははっきりしたのです。
はいはい、と流されているあたり、いつものことなんですね。
さて、わたしだけぼうっとしてるわけにもいかないので、牽制くらいはしなくては。
魔力多め、麺太めの光の槍を数本作るとエルウィナスに向けて発射!狙うは、額の本体と喉、胸の中央あたり。
一応は急所を狙ってみたけれども、どこまで通じるかは不明ですが。
それでも盾をかざして防いだあたり、さすがに本体でまともに受ける気はなさそうですね。喉も一緒に防がれたのです。
胸部は……スルーですか。
中央部を狙ったものの、少しずれて分厚い駄肉に1メートルくらいの穴を空け、その後すぐに埋まってしまったのですよ。
再生能力もさることながら、単純に威力が足りなくて無視されたのかもしれないですね。あの程度では胴体を貫けないと。
……実際のところ、上半身は女性の体を形作っているわけで。素っ裸の。
まさに大・迫・力!恐るべきお胸のボリュームなのです!
いったい何カップあるんですかね?
なんて馬鹿なこと考えてる間に、本体を狙われて怒ったのかこちらに向かってくるエルウィナス!
よし!釣れた!
ディアお母様たち龍王ズがどんな隠し芸を見せてくれるのか分からないですが、地面で再生中のユルさんからは引き離したいですからね。
死の砂漠の中へと戻るように軌道をとると、あとを追いかけて飛び立つエルウィナス!
追いかけながら闇の砲弾を盾を持たない四本の手から打ち出したり、髪ドリルを伸ばしたりと攻撃してくるけれど、ひらひらと左右に避けて距離を稼ぐのです。
わたしの意図を察してくれたのか、お母様たちも追いかけつつフォーメーションを組んだようですね。
お母様と火龍王、水龍王様と風りゅ……マナお姉様の二組に別れた模様。
そろそろいいかな?
わざと速度を落として少し近づくと、それを見て手を伸ばし捕まえようしてくるエルウィナス……今です!お母様!
『よくやりました、ミラ!いきますよ、フラム!』
『おう!任せな、大姉!』
『『溶岩流ブレス!!』』
今日のご挨拶は風龍王様でした!( ´ ▽ ` )
でも、読者様に失礼なことは言わないでぇ!?




