神兎 その109 邪神顕現(キモい)。
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
いつものようにブックマーク巡りをしていましたら……なんと!
自分以外に角ウサギを主人公にした作品が!∑(゜Д゜)
自分の作品と違って、男……オスが主人公だったり、進化しても弱かったりしますが、そもそも「最弱」とはそういうことですよね。
まだ途中までしか読んでませんが、弱いけれども機転や運、仲間たちとの協力で勝ち抜いていく様は面白かったです。
タイトルは「最弱の魔物って、おれのことだと思う」です。よかったらどうぞ。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
黒い大きな刃物のようなものがユルさんのお腹を切り裂いて現れると。
ずるり、と出てきたのは血まみれの人型。
チイッ!本当に生きてやがったのです!
ユルさん!大丈夫ですか⁈生きてますか!?
『う、う〜〜ん…………。
痛いけど生きてますよう〜〜〜〜?』
さすが体力ならトップの虹蛇さん!
死んでなければ、後でいくらでも回復してあげるのです!
それよりも、堕女神をどうにかしなければ!
精密に軌道を制御した光の槍を射出すると、フワリと避けてユルさんの上から地面に降り立つ堕女神(たぶん本体?)
髪を束ねた刃で腹を裂いたのですか。
やはり病的なまでに白い素肌に血脂を纏う姿は、スプラッター的な怖さがあるのと同時に、異様な美しさもあるのですよ。凄艶、とでも言うべきか。
『……あれだけ力を注いだ化身をいとも簡単に屠るとは……。まだ実力を見誤っていたというのか。』
つぶやくと、こちらを見上げるエルウィナス。
……そうか。
やつは最初から化身に戦わせておいて、自分はなんらかの方法で黒鳥たちの中に潜んでいたと。
それで化身が倒され、地面に落とされた黒鳥をもユルさんに食べられたので、浄化される前に正体を現したのですね。
『堕ちたりとはいえ、神の端くれがずいぶんと姑息なことをするものですね。』
うわお。お母様が煽ってらっしゃる!
『フフフ……。地龍王よ、お前も三千年もの間封印されれば分かるでしょうよ。
ミラ……ケダモノに生まれ変わったお前の娘は必ず殺すが、わたくしの標的はお前たちだけではないのだから…………。』
そこまで言うと、いったん口を閉じた堕女神。
次に発せられた言葉は、うちに秘めた激情が、憎悪が溢れんばかりにこめられていたのです。
『わたくしを拒絶した月神も!!
わたくしを封じ、断罪した神々も!!
すべてを滅ぼすために力を蓄えたのだから!!
……神々に対峙するまでは隠しておくつもりだったが、致し方ない。
我が全力をもってお前たち眷属どもを血祭りにあげ、神々への復讐の狼煙としてくれようぞ!!!』
そう叫ぶと、地面に髪を差し込んだ……?
すると、砂地から湧き出すかのように黒い瘴気が溢れ出す!
さらには、残っていた黒鳥たちの残骸も集まりエルウィナスの体に吸収、いや合体していく……⁈
地鳴りが響き渡り、死の砂漠の地下から砂を割って現れたのは。
ユルさんの巨体にも匹敵するかのような歪な人型なのです。
さすがに三キロとまではいかないですけど、全長で数百メートルは軽く越えているっぽい。
上半身は女性を模した形状ながらも、三対六本の腕が。
下半身は蛇のような長い胴体にムカデ?いや、蜘蛛にも似た長い昆虫類の足が無数に生えているのですよ。
更には吸収した黒鳥の名残りか、いくつもの黒い翼が背中だけでなく下半身の蛇身にも不規則に羽を広げているのです。
その頭部、額にエルウィナスの本体(?)らしき上半身が埋まっているのですよ。
はっきり言って……キモい!
堕女神がなんだか訳が分からないキメラ的な邪神に。




