表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
493/622

600万pv記念 間話 その52 ある踊り子 舞い歌うは新たなる神の誕生

いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。

m(_ _)m


本日は、600万pv記念で二話投稿しております。

こちらからご覧になった方は、目次からご確認くださいませ。


さて、この間話の登場人物である、踊り子とはいったい誰でしょうか?

答えは、CMの後!(嘘)


これからも楽しんでいただけると嬉しいです。

「おい、ねえちゃん!一曲頼むわ!」


 その声と共に緩く投げられたコインを、振り向きもせず人差し指と中指で挟んでふわりと受け取ると、周囲から感嘆の声が上がりました。


 ホホホ。踊り手たる者、普段の所作からも優雅でなければなりませぬゆえ、この程度は当然のこと。


 ここは酒場。

 日もとうに沈み、ランプの薄明かりのもと酒を酌み交わす男たちのうち、興がのったのか一人が依頼してきましたが、さて。


(うけたまわ)りましょう。なにかご希望はございますか?」


「なんでもいいが、明るくて勇ましいのがいいな!」


「されば、もっとも優しく、もっとも美しく、もっとも勇敢にして、もっとも新しき神について歌いましょうか。

 その名は『ミルラーナ』。

 一匹の角うさぎから身を起こし、苦難の果てに亜神へと登りつめた現世(うつしよ)の英傑。

 魔物でありながら、人の心を持つ優しき神獣。

 その御名を讃えよ!」


 連れの伴奏者に目配せすると、テンポの速い勇ましい序曲から弾き始めます。

 かの姫神はその心根の優しさとは裏腹に、戦い続けた半生をお待ちですからね。


 ……………………


 存分に歌い、舞い、踊る。

 身を(ひるがえ)せば、長い飾り袖と深いスリットの入ったスカートが広がる。


 もちろん、()()()()()()()()()()()()()()()

 そんなことを普通の人間たちにしては、洗脳するのと変わりませんからね。

 しかし、技芸を司る者として、けっして手を抜くことはいたしません。

 ゆえに神としての権能はすべて封じ、体力も人と同じ肉体レベルにまで落とした上で、わたし自らの心と技でのみの勝負。久しぶりに心躍るステージですね……!


「月神の伴侶にして愛しの君。

 もっとも弱きより成り上がりたるからこそ、弱き者の心をぞ知る。

 その加護はあまねく罪なき者たちを守りたもう。

 いざや、我ら祈りを捧げん。

 その尊き御名に誉れあれ!」


 両手を掲げて歌いきると、一瞬の静寂のあと万雷の拍手と歓声が。


 息を整えながらゆっくりと手を下ろし、観客たちに礼をとります。


 さらに多く飛んでくるコインを優雅に受け取り、取りきれぬ分は伴奏者に拾ってもらっていると。

 最初に依頼をした人ですね。話しかけてきたのは。


「いや〜あんた凄いな!こんな見事な歌と踊りは、きっと王様だって見ちゃいまい!銀貨一枚じゃあ申し訳ないくらいだ!」


「ホホホ……。構いませぬよ?おかげで一席舞台ができましたゆえ。

 追加の褒美もほら、この通り。」


 手のひらに乗せて見せたのは、先ほど飛んだおひねりの数々。銅貨が多いが合わせれば銀貨数枚分はありましょうか。


「ハハハハッ!そいつぁ、よかった!

 ……それにしても、新しい神様か。噂は聞いたが本当の話なのかねえ?」


「疑われるのも無理からぬこと。

 なにせ新たな神の誕生など、数百年ぶりの話でございますから。

 ですけれども、逆を申せば数百年前には(まこと)にあったこと。それが今起こったとして、なんの不思議がございましょう。

 あなた様も祈れば、なにかご加護を賜れるかもしれませぬよ?」


 そう。

 新たな神が生まれるのは、珍しくはあるが無い話ではありませぬ。

 なにせ、ここにその証拠がおりますゆえに。


 さてさて、この国でミラ様のことを広めるのはもう良いでしょう。信仰を集めるにも、まずは知られることから始めねばなりませぬからね。

 次はいずこの国に参りましょうや?


 上の方々からはもうそろそろ充分だと言われておりますが、堕ちた女神と戦うミラ様のため、ミラ様に恋する月神殿(どの)のためにも、もうひと頑張りはいたしたく。


 ……けっして、久方ぶりの地上で、ただ自由に歌い、踊りたいだけではございませぬよ?


答え・技芸神サラサ様でしたー!

(*^▽^*)


自分でもなんか気に入ってるキャラ。ほんのちょい役なんですけどね。

かつて、人間から昇神した技芸神。

お仕事にかこつけて、ちゃっかり地上を楽しんでいるようです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 案外・・・何回も何回も各世界を転生して、様々な異世界で『芸妓』を磨きに磨き上げてきたひとだったりして? うん。 『現代日本』からの転生者とは限りませんよね? もしかしたら・・・『遥か未来…
[気になる点] ・・・何故か、『モンゴル軍が何故強かったか?』の解説、何度か書いたけど何故だか毎回文章が跳びました・・・>< そこ件は別途考えますね(この話からも、作品自体からも、完全に逸脱してしまっ…
[一言] ・・・モンゴル軍の強さの理由の前には、そんなもの全部吹き飛びますよ? 『兵法』も『交渉』も『策略』も、全部吹き飛びます。 ついでに『聖地の回復』も、その価値自体が吹き飛びます。 『地図を塗り…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ