間話 その50 白鳥 浄化の祈り
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます♪
m(_ _)m
今日から晴れて出勤します!
まだ少し痰が絡んだりしますが体調は問題ありません。
しかし、十日近くひたすらゴロゴロして、体力は落ちに落ちているでしょう。いきなり、8時間立ち仕事でっきるっかなぁ?足が疲れそうですね。(^^;
まあ、休み休み、体を慣らしていきますか。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
今のところは有利に進められていますね。
最初に不意打ちで三羽の黒鳥を地に落とせたのが大きいでしょう。さすがはランさ……ランですね。
今も空中を縦横無尽に走っては、魔法と近接攻撃を巧みに使い分け、相手を翻弄しています。
おかげでわたしは支援に徹することができますね。ありがたいことです。
わたしの戦闘能力はけっして高くありません。
もとより、神獣の役目は仕える神々によってそれぞれであり、戦神様や龍神様の眷属でもなければ日常的に戦うことなど、まずないですから。
もちろん、神獣であるからには地上に生きる物たちに遅れを取ることなど、そうそうありませんが。
『太陽神と地母神より加護と祝福を与えられし白鳥が祈り奉ります。
瘴気と憎しみに染まった、かつての兄弟たちが苦しみから解き放たれますよう。その身が清められますよう。輪廻に戻れますよう。』
祈る言葉と共に、一羽の黒鳥に天より光りが差し、その光によって黒鳥の体が緩やかに解けていきます。
身を捩って苦悶し、光から逃れようとするものの、光はただ黒鳥だけを照らし続けます。
……苦しみから解き放つために、また苦しませなければならないという事実に胸が痛みますが、今のわたしにはどうすることもできません。
許して、とは申しませんがいつか輪廻の果てに会えることを祈りましょう。
浄化の祈りを受けた黒鳥がこちらを見上げ、なにかを叫びます。
【キィアアアアアァァァァァーーー!!!】
声にならない声。
憎しみと恨み、そして嫉妬のこもった鳴き声と、暗い情念を宿し昏く濁った瞳。
それはそうでしょう。
自分たちは呪いと瘴気に塗れて黒く染まっているのに、なぜお前だけ白いままなのだ、と。
ですが、それすらも自分で招いたことだと、もはや気づくこともないのでしょうね。
封印された時に、エルウィナス様の怒りと憎しみに同調し、呪いと瘴気を受け入れてしまったのは、あなたたち自身だということに。
憎しみのままに、わたしに向かって上昇しようとしますが、その背後からランが翼を引き裂いて走り抜け、また一羽落ちていきます。
この調子なら足止めならば無事にできそう……そう思って安心したのがいけなかったのでしょうか。
頭上に魔力の高まりを感じると影が落ちてきて……。
見上げた目に映るのは、転移により上空に現れた黒鳥でした。
翼は片方落ちたまま。
つまりは自身も落下による大ダメージを受けてしまうのも覚悟の上で、わたしを倒すためだけにここまで来たのです。
黒鳥はすでに落下し始めながらもブレスを放とうとしています。
『オデット!?逃げて!』
ランの声が聞こえますが……申し訳ございません。
もはや回避する間もないでしょう。
……せめて、この黒鳥のために祈ろうとした、その時。
『あきらめが早いのは美徳ではなくてよ?』
声とともに、黒鳥が何かに薙ぎ払われました。
これは水?水流のブレスですか?
『ふう、なんとか間に合ったようね。
水中なら兎も角、空を飛ぶのはそれほど得意ではないの。
ごめんなさいね?ギリギリになってしまって。
あとはわたくしにお任せなさいな。
この水龍王ウォルトナーダにね。』
久しぶりのお仕事だと浦島太郎状態だから、まず現状の把握から始めないとなぁ。σ(^_^;)




