アルミラージ その34 脳筋の戦闘狂にも困ったものなのです!
オークキングの索敵能力からして、隠れて動くのは無意味なのです。
匂いや視覚情報などを完全に隠蔽できれば違うかもしれないのですが、わたしにはできないですからね。
なので、やりたくないけど正面から近づくのです。
やはり3割のスピードで。
っと、さっそくアースランス(仮)が来るのです。
ちゃんと速度を測って、真っ直ぐ進めば当たるように、わたしの進行方向に設置する感じなのです。
やっぱりこのキングはバカではないのです。
ちゃんとこちらの行動を予測して攻撃しているのですね。
魔力が見える以上避けるのは簡単なのですが、それをキングに気付かれたくないので、ギリギリまで回避は我慢するのです。
目の前の地面が動き始めてから、慌てたように横っ跳びに避けると、キングが大剣を振りかぶり走って来たのです!
速いのです!
身体強化込みのスピードで近寄り、大剣を振り下ろす。
当然、魔力視には大剣は赤く光って見えるのです。
あれはかすっただけで致命傷になりかねないので、間合いを多めにとってかわすのです。
着地すると同時にさらに距離をとると、キングがこっちを見てニヤリと笑うのですよ。
この笑みに喜びはあっても、侮りはないのです。
ただ強敵に出会って楽しいといったところなのですか?
さらに厄介度が上がったのです。
ジェネラルはこちらを侮って油断したから、虚をついて瞬殺できたのですが……。
この強敵は微塵も油断がないのですよ。
最初から身体強化と魔力撃まで使ってくるし、それこそ『うさぎを狩るのにも全力で頑張ります!』的なタイプなのですかね。
自分、うさぎですしね。
チッ、まったく脳筋の戦闘狂にも困ったものなのです!
油断してくれないと、ただでも薄い勝ち目が減るじゃあないですか⁈
とにかく、まだ全力では無さそうですが、身体強化込みの攻撃を避けることはできたのです。
まったく油断はできないのですが、対抗できないわけじゃないのです。
勝負はこれからなのです!




