神兎 その96 『このポーズは必要なのでしょうか?』ランちゃんは変身ポーズが少し恥ずかしい模様。
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
すみません!m(_ _)m
投稿予約の日付けを1日間違えてました!
昼過ぎの投稿ですみませんが、これからも楽しんでいただけると嬉しいです!
お次はラン。
青空の色の鬣も美しい狼の姿で頭を上げ、空に向かってひとつ遠吠えをすると、その体が銀色に光り輝き、シルエットが人型に変わっていくのです。
光がおさまると、そこにはすでに武装した美女が。
白から青空の色にグラデーションしている長い髪に、紅い切れ長の目。
心なしか頬が赤い気がするのですが、気にしないのです。
右手で左手首を握り、そこから左掌を前に伸ばすと。
左ひざを直角に曲げ、右足をしっかりと伸ばして体勢を低くし、同時に指を曲げた右の手を左肩の前に、左手を右脇に動かして決めポーズ!
バルパンサ◯のポーズも良かったんですけど、ランは狼ですからね。ここはガオシルバ◯にしておいたのです。
『あの……ミラお姉様?このポーズは必要なのでしょうか?
武装するたびにするのは、少々気恥ずかしいのですが……。』
えー。カッコよくないですか?
こう少年の心が疼くというか。
『申し訳ありません、お姉様。分かりかねます。』
……仕方ないですねぇ。
次からはやらなくてもいいですよ。
本人の意思は尊重するのです。
それを聞き、ホッとしたお顔のランちゃん。そんなに嫌か。
ランの武装は新しく作ってもらったものではなく、既存の神器を借り受け、鍛治神様が改装補修したものなのですよ。
それも、月神の眷属であるセイリオスですから、ルーナ様から賜ったのです。
白銀の小さな鎖を編み込んだチェインメイルに胸部や両手足など要所を同じ色のプレートで補強した鎧。
下半身はやはりスカート状のチェインメイルとプレートに深いスリットが入っているのです。
……鍛治神様の趣味なんですかね?機能的ではあるのですけど、ムッツリ疑惑が浮上してきたような。
なんでも、月にしかない希少な金属を使った鎧らしく、元はルーナ様が眷属たちの協力を得て自ら鍛え上げたものなのだそうです。
鍛治神様が生まれる前からあるものだから、神器としての格はかなりお高め。
ついでに鍛治神謹製の、狼の牙と爪を模した攻撃力の高そうな手甲と脚甲を同じ金属で作り直し。
魔法の他は自身の爪や牙での格闘戦がメインで、流星衝という体当たり系の必殺技を持つランにふさわしい武器なのです。
『月真銀の鎖鎧 月にしか存在しない月真銀を用いて月神自ら作り上げた神器。不壊。生と死、復活を司る月神の加護を受け、瘴気や呪いによる攻撃をほぼ無効化する。また、月神の眷属に神気を供給し、神獣変化などの継戦能力を大幅に上げることができる。』
『天狼爪牙甲 月真銀を用いて鍛治神が作り上げた、狼の爪と牙をかたどる手甲と脚甲。摂理に反する者どもを滅ぼす天狼・セイリオスに相応しく、アンデッドを浄化し殲滅する。』
呪いも防げるようですし、ルーナ様としては自分が昔作った物をわたしに装備して欲しかったようですが、龍神様の逆鱗鎧には敵わなかったみたいですね。
敵の性質からいっても対瘴気・呪い耐性は非常に有効ですけど、あっちは「あらゆる攻撃から守る」ですからね。残念!
『ぐぬぬぬ……。ま、まあここは義理のお父さんの顔を立てて、引いてあげようかな?(次こそは僕が作ったのを装備してもらわないと……!とりあえずは髪と爪、あとは血液くらいかなぁ。でも逆鱗には勝てないよなぁ……。)』
なにかブツブツ言ってるけど、スルーで。
兎も角、呪いや瘴気に強いなら、黒鳥の相手も安心して任せられそうですね。
ランちゃんはガオシ◯バーでした。
美女が恥ずかしがりながらも、変身ポーズをとるのもまた良き。( ´∀`)




