神兎 その86 ジャジャーン♪これぞ、わたしの新しい武器なのです!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
いよいよ、何かが始まる……かもしれません。
つたないなりに、うまいこと最後まで続けられるように、祈ってくださいませ。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
頑固者め……。
主である堕女神が、自分勝手に他人に呪いをかけて殺して、その巻き添えで封印されたんですよね?
そんな上司になんで義理立てするんですか!
意味が分からん!
しかも、祈るだけでなく、自ら苦行を行なって贖罪をしようとするなんて!
もう、お前は充分以上に己れの職分を果たしたのです!
(オデットさん あなたは もう充分に 贖罪を 果たしたのです。
こうして わたしが ここにいることも その証拠。
これ以上 エルウィナスに つきあう必要は ないのですよ。)
(いいえ わたしはかつて 主の凶行を 止められませんでした。その罪が 消えることは ありません。
今 ミラ様の 元気なお姿を 見ることができました。
もう 思い残すことは ございません。
どうか ミラ様の手で 罪を断ち切って くださいますよう お願いいたします。)
……だんだん、イライラしてきたのです……。
このクソ真面目な悲劇のヒロインを、どうやったら前向きな精神状態にすることができるのか。
しかも、わたしが転生したことを確認したせいで、贖罪の祈りを続ける必要もなくなってしまったのです。
そこへもってきて、エルウィナスの討伐令が出たら、あとは思い残すこともなく、主と一緒に心中するだけだと。
……そんなことは、到底認められないのです!
真摯に祈り続けた最後が、クソ堕女神の殉死なんて絶対に認めない!
こうなったら、最後の手段!
(……分かったのです。
そこまで言うのなら 今ここで このわたし 自らの手で オデットさん あなたの罪を 断ち切るのです。)
その言葉に応えて微笑むと、目を閉じて頭を下げるオデットさん。
その様は、刑の執行を待つ咎人のよう。
わたしは、アイテムボックスの中から一本の太刀を取り出すのです。
その形状は異様のひと言。
緩く反りのある、全長90センチほどの日本刀っぽい剣なのですが、両刃で、その刀身の前後に合計六本の枝刃が鉤爪のように伸びているのですよ。
日本の国宝、七支刀の反りがあるバージョンとでもいうか。
これこそは、鍛治神様謹製!
わたし専用の新しい武器なのです!
その銘は『七角神剣』!
『七角神剣 ランク —
亜神の角と龍王の角や牙などを材料として、鍛治神が作り上げた不壊の神剣。龍の枝分かれした角を使ったためか、わずかに反りのある両刃の刀身に枝刃が前後に三つずつ、合計六つ付いた特異な形状をしている。その枝刃は、それぞれが地水火風光闇の魔法属性に対応しており、攻撃属性を任意に変化させることができる。また、神気を流し、六属性を同時に励起させることで、全元素衝破と同じ万能属性の斬撃を放つことすら可能である。万能属性を得たことで、神をも殺し得る恐るべき神器となった。』
……何度見てもめちゃくちゃな性能ですね。神殺して。
ちょっと前にできたばかりですが、鍛治神様がやり切ったぜ!と言わんばかりの晴れ晴れとしたお顔で、他の武具と一緒に渡してくれたのですよ。
試し切りの対象として、神獣ならば申し分ないのです。
いざ、断罪!
ミラ『お前の罪を数えるのです!』
( *`ω´)ノ
ルーナ様『え、えーと?なんかあったっけ?』
リリアナ(玉兎)『まず、初代のおひいさまを助けられなかった罪。エルウィナスを侮り凶行を止められなかった罪。呪われていたとはいえ、おひいさまをすぐに探せなかった罪。生まれ変わったおひいさまを見つけていたのに、勿体ぶって危うく死なせるところだった罪。着替え、入浴をはじめ、おひいさまのプライバシーを覗き放題、覗いた罪。嫌われるのが怖くて、おひいさまの前世を黙っていた罪。ファーストキスから自制できずに、いきなりディープキスに移行した罪。あとは……。』
ルーナ様『やめてぇ⁈月神のHPはもうゼロだよ⁈』




