神兎 その84 痛ましいその姿
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
>インフルエンザで職場から二人離脱!
>カサイサンのお休みが無くなった!
>カサイサンに843の精神的ダメージ!
>カサイサンは死んだ……。
ルーナ様『おお、カサイサンよ!死んでしまうとは何事だ!さっさと起きて、仕事と執筆を続けるのだ!』
死んでも抜けられないの⁈Σ(゜д゜lll)
くだらないコントは兎も角、これからも楽しんでいただけると幸いです。
『かの眷属、オデットには我らが祝福と加護を与えてある。
ゆえに瘴気の中でも耐えていられるのだろう。
この先、封印が解ける際にエルウィナスに直接害されぬ限りは死ぬことはあるまい。』
そう……なのですか。よかったのです。
話している間に、封印ドームの目の前までたどり着いたのです。
ゆっくりと地面に降りる、ディアお母様。
わたしは一人でお母様の背から降りると、おもむろに人化。
もちろん瞬間着衣で服を着つつ、ドームに歩みよるのですよ。
封印の結界に手をあて、じっと白鳥の後ろ姿を見るのです。
……わたしのために長い……とても長い時間を祈り続けてくれた乙女。
たとえそれが贖罪のためだったとしても、感謝しておくのです。
この世界に再び生まれ変わってこれたのは。
そしてリルたちやルーナ様、ディアお母様や神々に会えたのは。
ひょっとしたら、あなたのおかげなのかもしれないですからね。
いつか、必ずこのお礼はするのです!
首を洗って待っているのですね!
鼻息も荒く、決心していると。
白鳥、オデットと思われる人影が振り向いたのです……!
彼女のステータスに『神眼』はない。
つまりは彼女の目に、わたしたちは映っていないはずなのですけど。
それでも、何かの気配を感じたのか、わたしたち、いえ、わたしの方を見つめるオデットさん。
神眼に映るその姿は……。
かつては白く美しかったであろう髪や肌が、まだらに黒く染まり、むき出しの肩や腕、体に棘のついた蔦が絡まっているのです。
重傷ではないものの、血の流れた跡が黒く固く、肌にこびりついている、痛々しい姿なのですよ。
それらが無ければ、大きな黒い瞳の小顔の美少女ですね。
目視できてるし、念話が届かないですかね?
『できるかできないかで言えば、できるとは思うよ?
でも、あんまり結界の中を刺激しない方がいいと思うけどなあ。
察知された場合、封印の本体がどう反応するか分からないし。』
くっ!
歯痒いですけど、余計なことはしない方が無難ですか。
準備が整う前に戦いたくないですし。
オデットさんとの念話を諦め、転移のポイントとして周りの景色をしっかりと記憶してから、今日のところは帰るのですかね。
お母様の方へとひとつ頷くと、最後にもう一度だけオデットさんを見ようと思って振り返ると。
なんと、結界の中のオデットさんがこちらに向かって歩き始めたじゃあないですか。
絡みつく荊を引きずりながらも、ゆっくりとこちらへ近づいてくるのです。
棘が刺さって痛むのか、微妙に苦しそうな表情。
……ぁぁああああ、もう!
そんな痛いなら無理して来なくてもいいのに!
後で助けたるから、大人しく座って休んどけー!
コロナじゃないだけマシかもしれないですが、皆様も体調にはお気をつけてくださいませ。




