神兎 その83 贖罪の祈り
いつも、つたない作品の誤字報告していただきまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
焦るとまた増えるものなんですよね、これが。(^^;
誤字脱字、誤表現が無くならない作品ですが、これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
贖罪……ですか。
眷属とはいえ、自分がやったわけでもないことに対して責任を負うなんて。
なんというか……お人好しなのですね。
『あははは、お人好しなんて。ミラちゃんには言われたくないよね。
絆されて、なし崩しに家族を増やしたミラちゃんにはさ。』
う、うるさいのです!
リルたちを家族にしたのはですね?
別に絆されたわけじゃなくてですね⁈
と、兎に角!
白鳥さんは主の罪、つまりは昔のわたしを殺したことに対して、贖罪し続けている、ということなのですね?
なんだか、ややこしいですけど。
『ええ、その通りですよ、ミラちゃん。
正直に言えば、神が犯した罪を眷属が背負ったところで、当然許されるわけではありません。
ですが、かの白鳥は自らを荊で戒め、傷つけ、この三千年間ずっと祈り続けていたのです。』
い、荊⁈
自分を傷つけてまで祈るって、インドの苦行僧ですか!
それとも…………それとも、ただのドM?
冗談はさておき。
それにしても、三千年もの長きにわたって祈ることは……堕ちた女神が許されるように、ですか?
『いいえ、ミラちゃん。
あなたにかけられた呪いが解けるように、ですよ。』
……!!
『もちろん、主であるエルウィナスの許しも請うていましたが、女神本人に反省する気がありませんからね。
ほとんどすべての時をかけて祈るのは、あなたにかけられた呪いを解き、正常な輪廻の輪に戻るようにと。』
『そもそも、生と死を司る僕の権能からいって、たとえ死んだとしても魂を保護して、転生させることなんて簡単なはずだったんだ。
ところがね?
エルウィナスは自らの神格が歪むのも構わずに、強力な呪いをかけたんだよ。
その呪いの内容は二つ。
半ば不死の半神であるミラちゃんを殺すことと、この世界ではない異界へと魂を飛ばすこと。
この呪いのせいで僕はミラちゃんの魂を見失い、ミラちゃんはさまざまな世界で数えきれないほど転生を繰り返し、かつての記憶を無くしたってわけだね。』
今、明かされる堕女神の呪い。
逆恨みストーカー怖っ!
殺すだけで飽き足らず、魂ごとどっか行けってか⁈
わたしをルーナ様から引き離そうという執念を感じざるを得ないですね……。
『白鳥の祈りが通じたのか、それとも数多の世界で生まれては死んでいったからか、ミラちゃんの呪いは解け、再びこの世界に生まれてきてくれた、というわけだね。
一匹の角うさぎとして。』
…………白鳥を、いえオデットを助けることはできないのですか?




