神兎 その81 廃都の人影
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
今日の投稿は、かっきり千文字!(空白は除く)
いやぁ、なんかいい気分ですね。
例えるなら、コンビニのお買い物できれいに小銭を使い切ったかのような。
兎も角、これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
廃都の中心に近づくほどに、建物の残骸が増えていくのですよ。
建物の規模や、残っている構造物もだんだんと大きくなってるっぽい。
しばらく進むと、地平線の先に真っ黒な半球形のドーム?みたいなものが見えてきたのです。
あれが封印された都市の中心ですか?
『その通りですよ、ミラ。
あれこそが滅びた国の王城跡。もう基礎しか残ってはいませんが、あの中心に堕ちた女神が封印されています。』
ついに……ついにラスボスのいるところまで来たのです!
なんて、信仰集めが終わってないから、最終決戦はまだまだ先ですけどね。
さらに近づいていくと、封印のドームの大きさが分かってきたのです。
直径で500メートルくらいですかね?
ドーム自体は色もなく半透明なようなのですが、中に充満している瘴気?が濃く渦巻いていて、中の様子は見えそうで見えないのですよ。
魔力視しても全部真っ赤っかに見えるだけですし、純粋に視力を強化する『超視覚』を持つレイでも見通せはしないようですね。
しかぁーし!
このわたしの『神眼』なら話は別!
神気とレベルに依存はするのですが、距離や遮蔽物もお構いなしに問答無用で『すべてを見通す』のですから!
さーて、封印されし愛と美の女神(笑)のお顔でも拝んでやるのですかね。
まだ数キロは先のドームに向けて神眼発動!
最初は遠くに小さく見えていたドームが、スルスルと拡大していくのです。
その様はまさにグ◯グルアース。
なるほど、これだけの視力があれば月からでもわたしの観察ができるというものですね。
ねっ?
婚約者のプライベートをのぞき放題のルーナ様?
『ちょっ⁈急な流れ弾だね!
ひどい言われようだけど、僕は大切なミラちゃんが傷つかないように見守っていただけだからね?』
……そういえば、いつ話しかけてもだいたい応えてくるあたり、本当にずっと見ていたのですか……。
お仕事もあるし、暇でもないはずなのにわたしのために。
いつも、ありがとうなのです。ルーナ様。
『へっ……?なんで急にそんな……まさかデレ期到来?』
さて、神眼に集中集中。
『デレたのに放置⁈でも感じちゃう!』
うるさい変態!
ちょっと静かにするのです!
ドームの壁を視界が突き抜けるのに少しだけ抵抗を感じたものの、あっさりと中が見えてきたのですよ。
はい、そのまま真っ直ぐ、真っ直ぐー。
神秘の視線が廃墟の壁を抜けて、突き進んでいくとそこに見えてきたのは。
大きな漆黒の塊と、その前に跪く人影だったのです。




