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神兎 その80 奢れるものも久しからず、ですか……。

いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。

m(_ _)m


今日から再び本編再開ですが……始まったと思ったら話はまったく進んでませんね。(^^;


これからも楽しんでいただけると嬉しいです。

 砂漠の中心に向かって飛んでいる、ディアお母さま。

 わたしたちはみんな背中で大人しくしているのです。


 最初は、バスツアーのように和気藹々として親睦を深めていたのですが……。

 中心に近づくにつれて口数が減り、今は皆、黙って先を見つめているのですよ。


 もとより死の砂漠だから生命の気配など微塵もないのですけど……。

 なんというか、不穏な気配?を感じるのですよ。

 どんよりした気分になるというか……。


 と、見つめる先に何やら構造物がちらほらと見えてきたのです。


 これは……都市の遺跡?


 砂の海に埋もれる、かつて家だったものの群れ。


 永い年月、砂に洗われて風化し崩れた壁。


 遥かな昔に、驕り高ぶって神々の怒りに触れ、滅ぼされたという国の名残りなのですね。


『ミラお姉ちゃん、これは壊れた人間の町なの?

 なんだか嫌な感じがするの……。』


『そうですね、リルお姉様。

 索敵にはなにもかからないのですけれど、なにか空気が重いです……。』


 リルたちも、この廃墟に何かを感じているようですね。

 わたしの超感覚にも何も引っかからないのならば、本当に何かが潜んでいるわけじゃあないと思うのですよ。


 なにしろ亜神様の索敵ですからね!


 では、いったい何が原因なのか。


 それはおそらく、滅ぼされた国の人々の恨みや怨念などの残滓なのでは?と思うのです。

 そして、それが堕女神の封印が緩んだことで活性化していると。たぶん、ですけどね。


『……そうですね……。

 ミラの考えていることは、あながち間違ってはいないでしょうね。』


 ディアお母様が言うには、大昔ここにあった国は地母神様が生み出した人類の始祖、その直系の子孫たちが作り上げた国だったようなのです。


 今の人間たちよりもはるかに優れた肉体と魔力を持ち、寿命も長く繁栄を極めていた。

 言うなれば、上位人族(ハイヒューマン)真人(トゥルーヒューマン)とでもいうべき、強力な種族だったようなのです。


 その力は、魔物でいうA〜Bランク並みのステータスで、さらに国の指導者はSランク級、神獣並みの強さを持っていたとのこと。


 ……なんじゃそのチート国家は。


 そんな国があったら、他の普通の人間の国なんかひとたまりもないのです。

 と思ったら案の定、周辺国家を次々と飲み込み大陸を統一するほどの一大帝国を築き上げた、と。


 そこまではまあ普通の流れ?

 地球でも似たような歴史はあったのですからね。


 しかし、その後がまずかった。

 侵略した国の民を虐殺したり、奴隷扱いしたり。

 ついには神々に対する信仰も失い、神々の眷属たる神獣を傷つけ、自らが神に取って代わろうした段階で神様たちが激オコ。


 神威を落とされて滅びた、というわけなのですよ。


 まあ、自業自得なのですが、上位人族たちも国と一緒に滅ぼされたから、現在の人族は劣化した弱い人間しか残っていないらしいのです。

 ごく稀に進化して、先祖返りする人もいたりするらしいですが、そんな人間は千年に一人居ればいい方で、当然今はいないらしく。


 もし居たら、籠絡……脅迫……いえいえ、説得して対堕女神戦を手伝ってもらえたのにねえ。


 残念残念、なのですね。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 砂漠の遺跡には…怨念が、おんねん(定番激寒親父ギャグ) これで暑い砂漠でもバッチリですねww [一言] まぁアレですな…この滅んだ文明はいわゆる『バベルの塔』だったん…
[一言] 「ソドムとゴモラ」というか、「バベルの塔」というか、なんやかんやで滅びたんだね(苦笑) アトンを封じた無の砂漠もこんな感じかな?(魔法戦士リウイシリーズではアトンが復活して大陸の中心(西)方…
[良い点] まあ、ミラさんの美貌なら、籠絡が一番早いだろな。(中のひとがちょっと残念だけと、そこはランちゃんサポートでなんとか・・・) 次に簡単なのは、脅迫だな。ディアママで降り立ったら半端ない。
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