神兎 その77 ちょっとだけイラッとしていたのは秘密なのです!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
今日はお休みですが、転スラの新刊を読むから執筆はたぶんできません。だって厚いし、中身も二段組だし……。
年をとるとね。長い小説を読むのにも体力を使うんですよ。
TRPGプレイヤーが……も長いですけどね。
しかも、相変わらずの9割以上書き下ろし。
どういう筆力してんねん!(*゜▽゜)ノ
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
大きくお口を開けて喉の奥から吐き出そうともがく、ユルさん。
口の中のピンク色が目に鮮やかですね……。
舌も長いし。
『ゲエッホ、ゴホッ!』
ドサッ
咳と同時に砂の上に吐き出されたのは……卵?
ますます、某大魔王かい!
わたしたちの目の前に産み落とされたのは、人間の子供くらいなら入ってしまいそうな、大きな卵なのです。
生まれたばかりだからか、粘液にまみれてツヤツヤと光っているのですよ。
ただし、卵の殻の色彩は非常に豊かですけどね。
ユルさんの体と同じく、虹色のまだら模様の卵。
もし前情報なくこの卵を見つけてたら、中から何が生まれるかまったく想像つかなかったですね。
生まれるのは恐竜?怪獣?
本体の大きさ的には怪獣もあながち間違いじゃないですけど。
と、卵の殻にヒビが。
パリ、ピシ、とヒビが広がっていき、縦にパッカンと割って出てきたのは……んん?
絡まってて分かりづらいですが、二匹いないですか?
必死になって絡まった体を解こうとする虹色の……色も違うような。
『おい!そっちのしっぽを抜けよ!』
『ちょっと待って〜……あ〜抜けた抜けた〜〜。』
頭の形は相変わらずパペットっぽいですね。
丸っこくて可愛い。
太さ長さは中型の錦ヘビくらい?まだ絡まってるからはっきりとは分からないですが、2、3メートルはありそう。
そして体の色が、片方は水色、緑、白の三色で、もう片方が赤、茶色、紫なのです。
これはひょっとして……二匹に分かれた分、虹の鱗の無効化できる属性も分かれたのですか?
『んん〜〜〜〜?久しぶりすぎて〜〜ちょっと失敗〜ですか〜〜ね〜〜〜〜?』
巨大な頭をかしげるユルさん。
しかし、それに反発したのは、やっと絡まった体を解いた分身体なのですよ。
『おう本体!作っておいて失敗たぁどういう了見でい!』
『そうですよ〜?わたしたちにも心はあるんですからね〜〜?』
『ごめんごめん〜〜〜〜。
君たちには〜〜ここにいる〜ミラさんに〜〜付いて行って〜欲しいんだけど〜〜〜〜。』
『わかりゃあいいんだよ!わかりゃあな!
よしっ!おいらたちに任せとけ!』
『こっちも分かりました〜。よろしくね〜?ミラさん〜。』
『……よろしくお願いするのです。』
なんか、性格の落差が激しくて面食らってしまったのです。
あの、のんびり屋のユルさんから、まさか江戸っ子が生まれようとは……!
もう一匹さんはのんびりというよりかは、おっとりといった風情。
このくらいなら意思疎通にも齟齬は出ないですよね。
……ちょっとだけ、ほんのちょっとだけですよ?
ユルさんの話し方にイラッとしていたのは秘密なのです!




