神兎 その74 ユルルングル登場。『よろしくね〜〜〜〜?』
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
『お久しぶりね。ユル。
いったい何千年ぶりかしら?』
『さぁ〜〜?忘れてしまーいましたね〜〜〜〜。
お元気そーで〜〜なによりで〜す〜〜〜〜。』
『ええ、あなたもね……少し痩せたかしら?』
ふぁっ⁈
や、痩せた……?
この巨体で⁈
『仕方ないです〜〜〜〜。
ここのお砂は〜〜あーんまり美味しくな〜いですからぁ〜〜〜。』
……なるほど……?
サンドワームかサンドスネークか分からないですが、この眷属さんは自分で食べることで、死の砂漠の砂を取り込み、土に変えているのですね。
というか、この砂に栄養とかあるのですか?
不思議に思っていると、お母さまから解説が。
『ユルは地母神の眷属です。
大地の魔力を糧とすることができるから、わざわざ砂や土を食べなくても生きていけるのですよ。
身を削ってまであえて死の砂漠の砂を食べているのは、不毛の地を豊かな土地へと戻すためなのです。』
『はい〜〜〜。アシュアンナ様の眷属として〜〜草も生えない地があるのは〜〜我慢できな〜〜いのです〜〜〜〜。』
『……地母神様は無理はしなくともよいと仰せなのですけどね。
神罰の結果、砂漠となったのだから、と。』
『でも〜〜〜アシュアンナ様はー悲しんでおられますから〜〜〜〜。
主の〜〜憂いを晴らすのも〜〜〜僕の務めです〜〜〜〜。』
……眷属として自主的に砂漠を緑化している、ということですか。それも『死の砂漠』を。
おっとりのんびりしているようで、この方も神獣なのですね。
でも、真面目に話していても姿がコミカルだからか、それとも口調が間伸びしているからか、ゆる〜い空気が流れているのです。
シリアスになり切れないというか。
『ユル。地母神様から連絡はいっていると思いますが、こちらにいるのは新たに眷属となった神獣。
そして、かつてわたしの娘であり、今は亜神へと昇った者。
名はミルラーナといいます。』
おっと、ディアお母さまに紹介されたので、頭を切り替えてご挨拶するのです。
『お初にお目にかかるのです。
わたしはミルラーナ。
月神ルーナラーナの眷属にして亜神、神兎なのです。』
元の姿のまま、お座りの姿勢から頭を下げるのですよ。
『これは〜〜ご丁寧に〜〜〜〜。
ふああ〜〜。これはな〜んとも〜〜ちいちゃくて〜〜可愛らしい〜〜眷属さんでーすね〜〜〜〜?』
そう言うと、ユルさん?は頭を近づけてこっちを見るのですよ。
縮尺がおかしくて、距離感が掴みづらい……!
実際には10メートル以上離れているはずなのに、めっちゃ近くで覗かれているような気分なのです。
戸惑うわたしたちを気にせず、改めて名乗るユルさん。
『わたしは〜〜地母神〜アシュアンナ様の〜〜眷属〜〜〜〜、ユルルングルと〜〜申しますう〜〜〜〜。
よろしくね〜〜? ミルラーナ殿〜〜〜〜。』
『ミラでいいですよ。
親しい人たちはそう呼ぶのです。』
『分かりました〜〜〜。ではミラさんも〜〜わたしのことは〜〜ユルと〜呼んでください〜〜〜〜。』




