神兎 その65 【S級神獣エキシビジョンマッチ】
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
前書きでふざけたいんですけど、ネタが尽きてしまった……。
こんなに長くなるとは思ってなかったし。(^^;
ツンデレ調とか、翻訳とか二周目に突入してしまおうか。
兎に角、これからも楽しんでいただけると幸いです。
【S級神獣エキシビジョンマッチ】
時間無制限一本勝負
◯ディアお母さま ー ●レイ
決まり手 ラリアットでダウンをとってからのチョークスリーパー(4分35秒)
まあ、予想通りというか、あっさり勝負はついたのです。
レイは神器まで持ち出しての総力戦でしたが、さすがに役者が違いすぎたのですね。
逆に、ディアお母さまの方は身体超強化とブレス、魔神撃や爪による斬撃も封印しての肉弾戦で応じたのですが……まさに王者の風格。
純粋な力と技でレイをボコボコにしていたのですよ。
レイにとってはいい訓練にはなったのですけどね?
戦神様の眷属になったからといっても、レイはまだレベル1。
しかも、わたしたちモフモフ角うさぎパーティの中でもっとも若く(一歳にもなっていないはず)、経験も足りていないのです。
昔、進化したてのリルのように、自分の能力に振り回されることはないまでも、攻め方が単調なのですね。
力押し一辺倒というか。なにげに脳筋っぽい?
1レベルでも神獣ですからね。格下ならば力押しでもなんとかなるかもしれないのです。
ですけど、同格や格上とのギリギリの勝負となると、まだまだ不安ですね。
気を失ってぐったりしているレイを放し、介抱するディアお母さま。
わたしたちも駆け寄って、様子を見るのです。
お母さまが光魔法で回復を促すと、すぐに気がついたのですよ。
「……負けちゃったのデス。」
地面にペタンと座り込んで、うつむき口をとがらせるレイ。
それを見て微笑むお母さま。
「悔しい、と思えるのは大事なこと。
多くの者たちは、それを糧にして強くなっていくのです。
ですが、そう簡単に勝てると思われても困りますね。
龍神ヴァスキデオスに生み出されてより幾星霜、数多の年月を戦い続けてきたのですから。」
まあ、100レベル越えの神獣であるお母さまとしては、レベル1のなりたてほやほやの神獣に負けるわけにはいかないですよね。
うんうん。
レイもよく頑張ったのですよ?
よしよしと頭を撫でてあげると、ようやく機嫌が直ったようですね。口もとが緩んでいるのです。
さて、模擬戦も終わったし、ディアお母さまからいただいた角をルーナ様のもとに届けて、鍛治神様に渡してもらわなければ。
ひとまずの暇乞いをしようと思ったのですが……。
「おひいさま。よろしければ、わたくしがお届けいたします。
おひいさまは、地龍王殿と妹様方とごゆるりとお休みくださいませ。」
と、玉兎パイセンが申し出てくれたのですよ。
うーん。さすがは古参のパイセンだけあって、その気遣いが嬉しいですね。
ディアお母さまも、わたしとレイも模擬戦で疲れているし、ここはお言葉に甘えさせてもらうのですか。
ルーナ様『ちょっとリリアナさん⁈なんでミラちゃんに届けてもらわないのさ!
せっかく会えるところだったのに!』
玉兎パイセン『まったくもう……。久しぶりの親子の再会の邪魔をするなど不粋の極みでございます!
だから、念話も禁止されてしまうのですよ!』
ルーナ様『ぐうの音も出ないね!』




