神兎 その63 取ったどー!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
お休みしていた店長が復帰。
病名は痛風でした。ほんとに痛くて夜も眠れなかったそうです。
ワガママボディしてるからなー……。σ(^_^;)
これに懲りて、少し摂生してくれるといいんですけど。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
体勢を崩し、さらには下方向に意識づけをしたディアお母さまの上空に。
わたしは気配隠蔽からの転移魔法で移動するのです!
重力加速度も味方に、翼も折りたたみつつ魔力を流してさらに加速!
振りかぶった角剣には風属性の魔力を流すのです!
バチッ
うわっ。やっぱ、今のわたしの全力ではもたないか?
伸びる光剣にスパークが瞬き、なんだか故障寸前の雰囲気なのです!
あと少し!お願い、もって!
ガキッ!
横たわるディアお母さまの左角の一本に振り下ろしたのですが。
半ばまで切れたものの、角剣は砕けてしまったのですよ……。
ごめんね……。わたしの角剣。
ですが、感傷にひたっているヒマはないのです。
まだ、お母さまの角は折れていないのですから!
攻撃されたことに気づいたディアお母さまは、首や体をふるって、わたしを引き剥がそうと暴れるのです。
んぎぎぎ!!
ここで離されてなるものか!
途中まで切ったのは、一番前側の一番細い角。
細いっていっても、わたしの胴回りくらいは余裕であるのですけどね?
わたしは振り落とされないように二番目と三番目の角に全力でしがみつくのです!
武器は破損。
さらには、両手足で踏ん張ってしがみついている、わたしにできる最後の一手は……。
そう!
角で頭突き魔神撃なのです!
ゴロゴロ、ブンブンと勢いよく頭や体を振り回す周期を読み、力がわずかに緩んだその時!
「これで終わりなのです!」
わたしは風と光の魔力と神気をこめた角を、半ばまで切れたお母さまの角に頭ごと振り下ろしたのです!
バチバチバチ!
なんか角がバリバリいってるけど気にしない!
バキン!!!
いよっしゃあー!
ディアお母さまの角、取ったどー!
と、喜んだのもつかの間、気が抜けて緩んだ腕と足。
結果、振り払われて吹っ飛ばされたのです!
だが、わたしには翼があるから大丈……ブフッ!
思ったより近くにあった柱に後ろ頭からぶつかったのですよ……。
い、痛いのです……!
翼に魔力を流して空中に浮きつつも、後頭部を両手で押さえて悶絶するわたし。
なんか、戦闘中の痛みは耐えられるんですけど、こういう予期せぬ痛みってなんでこんなにキツいんですかね?
たとえるなら、タンスの角に小指をぶつけるかのような……。
『大丈夫ですか?ミラ。』
ディアお母さまは起き上がって体勢を立て直し、少しだけ申し訳なさそうに声をかけてきたのです。
「だ、大丈夫なのです。ディアお母さまこそ、痛くはないですか?」
『角に神経は通っていないから大丈夫ですよ。
……見事な戦いぶりでしたね、ミラ。
これだけの力と知恵、技を見せられては認めざるを得ないでしょう……。
まして、これから亜神としてさらに成長していくのですから。
あなたには危険なことはさせたくはありませんでしたが、約束した以上は仕方ありません。
かの女神を討ち果たすため、共に戦いましょう。』




