神兎 その60 ピヨってるやついる〜?(そっと手をあげるミラ)
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
ピヨってるわたしに追撃をかけるでも無く、悠然と言い放つディアお母さま。
そして、足元から魔力?が流れたと思ったら、骨の見えていた右腕の傷がみるみる癒えていくのです!
これが『地脈再生』ですか!
『地脈再生 地に属する者だけが使える固有スキル。地脈から生気を吸い上げ、受けた傷を即座に再生する。地に足をつけている限り、即死させるほかに殺す術はないだろう。』
……強い。
あの火力に、防御力と戦闘経験に加えて再生能力まであるとか、勝てるビジョンが浮かばないんですけど。
ですが、わたしだってまだ全力全開ではないのですよ?
光魔法で体を癒しながらも、身構えるのです。
「……分かったのです。もとより、手加減などできる立場ではありませんでしたね。
ここからは全身全霊で行かせてもらうのです!」
『その意気です!さあ、かかってきなさい!』
それからの攻防は目まぐるしく過ぎていったのです。
思考加速しながらの戦いは、体感では数時間も戦っているような気がするのですが、実時間では三十分もかかってないようですね。
お互いに致命打を与えるとまではいかずとも、ダメージは与えているのですよ。
わたしは右腕を礫弾ブレスで吹っ飛ばされ、爪で袈裟がけに斬られたし、ディアお母さまはといえば光槍の雨でハリネズミにされ、ブレスで背中に大穴が空いたのです。
まあ、お互い一瞬怯みはするものの、すぐに回復、再生してるのですけどね?
ここまでの攻防はほぼ互角。
しいて言えば、ディアお母さまの魔力が残り少なくなってきているってくらいですかね。
でも油断はしないのですよ!
オークキングに騙された時に学んだんですからね!
相手の魔力が少なくなったのなら、なおのこと魔力で対応せざるを得ない方法で追い詰めるのが戦略としては正しいのですが……。
魔力が尽きれば魔法は使えなくなるし、身体超強化もできなくなるのです。
手札がひとつ無くなって、素の能力値で戦うのなら勝ち目は充分にあるはず。
ですが、それではつまらないのです。
ここは試しの場。
新しい技の実験台になってもらおうじゃないですか!
「ディアお母さま。次の技で決めるのです。」
『フフフ。ええ、いいでしょう!
さあ、あなたの覚悟を見せてごらんなさい!』
今から使う技は、思考加速、並列思考を限界まで使用するのですよ。
魔力も、神気も大量に消耗するだろうから、継戦能力は落ちるのですが、それを補ってあまりあるメリットがあるのです!たぶんね!
いざ勝負、なのです!




