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アルミラージ その27 ジェネラルの股潜り(辻切り付き)

 結論。まともに戦わない。なのです。


 他のオークを盾にして近づいて、ヒットアンドアウェイで一撃離脱を繰り返すのですよ。


 ジェネラル本人がわたしを捕捉できても、他のオークはできないと思うのです。


 オークどもの足元を抜けて、狙うは鎧の隙間、膝裏に足首なのです。

 甲冑を着ているとはいえ、明らかにサイズがあっていないですからね。

 おそらくは人間から奪って使っていると思うのですが、サイズが合わない以上、隙間だらけなので攻撃する場所はたくさんあるのですよ。


 それに、ジェネラルがスキルで強化できるのは自分の体だけのはず。

 いまの自分の魔力撃ならば、ただの鉄の鎧など余裕で切れるのですよ!


 つまり、やつの甲冑はわたしの魔力角の前では、防御の意味をなさないのです。


 とはいえ、一瞬の遅れが命取りになりかねないので、できるだけ隙間を狙うのですけどね。


 というわけで、草むらを大回りして精鋭部隊の後ろからジェネラルに近づいていくのです。

 ジェネラルにはすでに捕捉されているようですね。

 今さら見つかっても関係ないので、部隊のオークどもの足も切りながら近づくのです。


 やっと目の前かと思えば、当然のようにこちらを向いているジェネラル。

 手には再び大斧を持っているのです。

 それは仕方ないのですが、部隊のオークと少し距離をとっているのですよ。


 まったくやっかいなのですね!


 オークの盾作戦は失敗なのです。

 これではオークどもの陰から一撃離脱は無理ですね。

 自分のスピードで翻弄するしかないのですよ。


 期せずして一騎討ちっぽくなってしまったのですけど。

 周りは敵だらけなのですから、周囲にも警戒は必要なのです。


 正面から戦いたくないわたしと、正面から力でねじ伏せたいジェネラル、緒戦はわたしの負けなのです。

 知恵比べでオークに負けるって、なんか屈辱感があるのですよ。


 ジェネラルがニヤリと嗤いやがったのです!

 くっそムカつくのです!


 こっちだって今までただ遊んでいたわけじゃないのですよ!

 レベルアップしたアルミラージの力を見せてやるのです!


 正面からジェネラルに向かって走るのです!


 ただし全力の3割の速度なのです。


 それでもジェネラルからしてみれば、自分の全力以上のスピードなので、それなりに驚いているのですが、充分迎撃できると思ったのですね。また嗤いやがるのです。


 笑っていられるのも今のうちなのですよ!


 ジェネラルの間合いに入り、斧が振り下ろされるのですが、当たる前に全力疾走プラス、身体強化全開! なのです。


 実質4倍近い速度を出してジェネラルの股の間を走り抜けるのです。

 ジェネラルの右足を切り払いながら。


 多少の抵抗は感じたものの、全速チャージと魔力撃でジェネラルの右足を膝から切り落としたのです!


 何が起きたか分からず混乱しているジェネラル。


 今がチャンスなのです!


 うつ伏せに倒れたジェネラルに向かって振り返り、今度は頭を狙ってチャージ!


 同じく全速での魔力撃で、次の瞬間にはジェネラルの延髄に、兜ごと貫いてわたしの角が突き刺さったのです。


 ビクンッ、と一回痙攣してジェネラルは動かなくなったのです。


 なんだ、案ずるより産むが易し、なのですね!


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― 新着の感想 ―
[良い点] 豚の頭に兎の角がシューッ! 超、エキサイティン! [気になる点] 普通は大将が狙われる時点で負け戦だしねぇ。 軍隊という概念はあっても強い個体が無双する世界のようなので、司令塔だろうと強者…
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