神兎 その57 行け!光槍の雨、亜神バージョン!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると、幸いです。
さて……。
お次はこちらからしかけてみるのです。
まずは魔法で遠距離から牽制しつつ、接近してねらうのは角。次点で爪ですかね。
牙はディアママが口を開けたところを狙わないといけないですし、なんならそのタイミングはブレスを吐くか、わたしに噛みついてきた時なのです。
虚をつけばできなくもないですけど、あえて最初から危険な賭けをする必要もないですからね。
うーん。
地属性に対抗するのは風。
ですが、わたしは威力の高い風魔法を使えない、というか知らないのですよ。
今さらサンドストーム程度で削れる鱗でもなし。
ここはオーソドックスに純粋なエネルギーにも近い、光属性でいくのですかね。
というわけで、わたしもガチで勝ちにいくのです!
並列思考(亜神)と思考加速(亜神)を駆使して一瞬で魔法を構築。
そして……わたしの周囲に浮かび上がるのは、数百もの光の槍なのですよ。
行け!光槍の雨、亜神バージョン!
黒鳥(特大)と戦った時よりもさらに数倍の数を出し、しかもそれぞれを別々の軌道で射出!
威力も前より格段に上がっているのです!
これだけで倒せるなんて思わないですが、牽制にはなるはず。
そして、槍の雨から一歩遅れて走り出すのです。
魔法と近接の同時攻撃ならどうですかね?
ディアママは口角を上げたように見えたのですよ。
笑ったのですか?
……ひょっとして、あなたも互角に戦える敵を求めていた?
たしかに武闘派龍王で、しかもレベル100越え。
亜神と互角の戦闘能力なら、まともに戦える相手も少ないですよね。
同じ龍王とか、神々くらい?
そこにステータスならば互角の存在が現れ、賭けとはいえ戦える……それが娘でも嬉しくなってしまったのですかね。
お母さまがわりと脳筋だった件について……。
まあ喜んでもらえたなら、よかったですけど。
などと考えつつも近づいていくと、ディアママの周囲の地面に濃密な魔力反応が!
すると次の瞬間、地面から半円形の城壁と見紛う分厚い石壁が高くせり上がってきたのです!
城壁に降り注ぐ光槍の雨!
槍の雨は城壁を削り、穿ち、崩しながらも防がれたのですよ。
数本は抜けたとは思うのですが、大きなダメージにはなってないようですね。
さすがは地龍王。わたしの魔力で生み出した槍を防ぐとは、おそらく壁自体にも魔力を纏わせていたのですかね?
だが、一瞬とはいえ視線を遮れたのは大きいのです。
身を低くし、気配を消して残っている石壁の影にそって周りこむと……よし!
壁の切れ目の先、目の前に左後ろ足としっぽが見えたのです!
このまま近づいて、後ろ足の爪を切ってやるのですよ!




