神兎 その51 ディアお母様の本性……うん、無理!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
再び席に戻り、仕切り直しなのです。
地龍王こと、ディアお母さまの同行は速攻で許してもらえたので、次は武器の素材をもらいたいのです。
……再会して即、お小遣いをねだるみたいで気は進まないですけどね。
「ディアお母さま……言いにくいですが、もう一つお願いがあるのです。
わたしは今、自分の角を材料にして鍛治神様に武器を作ってもらっているのですけど……より強くするために地水火風光闇の六属性を強く宿した素材を集めているのですよ。
他の属性は集められそうですが、地属性の素材にディアお母さまの角か牙をいただけないですか?」
おずおずとお願いしてみると、これもあっさりと快諾。
心配する必要なかったですね。
「属性の力が込められている材料ということは、本来の姿に戻った方がいいでしょう。少し離れた場所に行きますね。」
と言うと席を立ち、スタスタと広いところに移動したのです。
興味津々で見ているリルたち。
「今からわたしの本性に戻ります。気をしっかり持っていてね?」
こちらを振り向いて言うと、目を閉じて精神を集中するディアお母さま。
その体が金褐色に光り出すと、シルエットがみるみる巨大化していくのです!
おおおっ⁈
こ、これがディアお母さまの本性ですか!
四肢を地面についていてなお、仰ぎ見る巨躯。
全身を覆う艶やかな褐色の鱗。
前腕も後肢も力強く筋が盛り上がり、そのパワーを見る者に教えているのです。
背にはこれまた巨大な皮膜の翼。
側頭部から三対6本の大きな角。
大きな瞳は瞳孔が縦に裂けた龍らしい目ですが、そこに映る優しさは紛れもなくわたしの「ディアお母さま」の目なのです。
……それにしても、デカっ!
全長にして30メートルを超えているんじゃないですかね?
たしか、一番でかい恐竜が40メートル級だったような気がするので、それにはわずかに及ばないですけど….…。
でも、首が細長い巨大草食恐竜と違って、長すぎず、細すぎず、バランスの良い体型。
戦えば、たとえブロントザウルスでも勝負にはならないですね。
言ってみれば、肉食恐竜が30メートル級に大きくなったようなもの。
それもティラノサウルスとかとは違い、後ろ足よりは短いながらもマッシブな腕にはこれまた鋭く太いかぎ爪が生えているのです。
全身が武器にして鎧であり、さらにはブレスや魔法、おそらく魔神撃なども使えるはず。
…………うん、無理!
前にルーナ様が『やってみれば楽勝でしたってこともあるんじゃない?』とか言ってたのですけど、Aランクのヴォルパーティンガー時代に勝てるわけがないじゃないですか!
ルーナ様の嘘つき!!
ルーナ様『いやいやいや、嘘じゃないって⁈
純粋な戦闘なら勝てないけど、最愛の娘に勝てる母親はいないからね。
きっと勝負にはならなかったと思うよ?』
(^◇^;)
別案として、最初はミラさんが娘の生まれ変わりだと気づかずに戦って、神獣変化してからその姿を見て気づく、といった展開も考えてました。
ミラ『くっ!やっぱり強い!こうなったら神獣変化!』
地龍王『そ、その姿はまさか!?』
的な。^_^
それはそれで劇的でよかったかもですね。




