神兎 その49 いちいちオチをつけなくても……あっ、素ですか。そうですか。
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
今日は転スラのマンガ版最新刊を買ってきたから、執筆はお休みです。
カサイサンの次回作にご期待下さい。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
謝罪と同時に感じていた重圧がフッと消えたのです。
殺気のオンオフも自在というわけですね。
さすがは龍王。
きっとめっさ長生きしているんでしょうし、経験値の桁が違うのですかね。
玉兎パイセンに謝ったあとに、こちらにも軽く頭を下げてきたのですよ。
「ミラたちも驚かせてごめんなさいね?
あなたたちを怖がらせるつもりはなかったのだけど……。」
わたしは兎も角、リルたちの毛が逆立っているのを見て気遣ってくれたのですけど、それは要らぬ心配というもの。
リル、ラン、レイの目はキラキラと輝き、尊敬と憧れが見てとれるのですから。
「ううん!地龍王さまは全然怖くなんてなかったのよ?
すっごく強いんだなぁって驚いちゃっただけなの!
やっぱりミラお姉ちゃんのお母さんだから、きっともの凄く強いのよね!」
「その通りでございます。
ミラお姉様のお母上がこれほどのお方とは……。
ご一緒していただけること、頼もしい限りでございますね。」
「後で訓練して欲しいのデス!」
……レイ。
いちいちオチをつけなくても良いのですよ?
なんて、たぶん素で言ってるだけだと思うのですけど。
地龍王ママンはちょっとびっくりしたした後、表情を和らげて曰く。
「……ミラは今世で良い家族に恵まれたようですね。
これからもミラのこと、よろしくお願いしますね?」
と言って、深く頭を下げたのです。
少し慌てるわたしたち。
いやだって、わたしたちはSランクの神獣になったといっても、全員この一年ほどのことですからね?
つまりはピカピカの神獣一年生。
それを人生? 獣生? の大大大先輩に頭下げさせるなんて恐れ多いとでもいうか。
亜神であるわたしは格の上では上位者と言えなくもないですけど、眷属としても神獣としても、かけ出しのペーペーにもほどがあるのですから!
「どうか頭をお上げください、地龍王様!
わたしたちの方こそ、ミラお姉様から返しきれないほどの恩をいただいているのですから!
それをお返しするのは当然のことでございます!」
力強く答えるラン。
……いや別に、恩を返して欲しくて家族になったわけじゃあないんですけどね?
でも、ここで混ぜっ返しても話が混乱するだけなのでお口にチャック。
「そうなのよ!
リルたちはみんなミラお姉ちゃんに助けられて、家族にしてもらったの。
お姉ちゃんは家族になったからには絶対に見捨てないって言ってたの。
だから、リルたちも大好きなミラお姉ちゃんに、ずっとずっと一緒に着いて行くのよ?」
相変わらずニコニコと嬉しそうに話すリル。
「ママ姉ちゃんやリル姉ちゃんをからかって、じゃれるのは楽しいのデス!」
だから!
いちいち三段オチにしなくてもいいんですよ⁈ レイ!




