神兎 その46 ママーン!
いつも、つたない麻呂の作品を読んでくれて、ありがとうおじゃりまする。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いでおじゃる。
その女性は。
近くに比較対象がないから印象ですが、背は高め。
艶やかな濃い茶色の髪は、真っ直ぐ腰まで届き。
髪よりも濃い褐色の大きな瞳でまじまじとわたしを見ているのです。
同じく茶色ベースのロングドレスに包まれたナイスバディは肩幅広く、がっしり筋肉質ながらもボンキュッボンと出るとこは出て引っ込むとこは引っ込んでいるという。
生命力に満ち溢れ、威厳と覇気を感じさせる姿は、ドレスアップした美女戦士といったところですか。
この人(?)が地龍王様ですか……。
入ってきたわたしたちを、いえ、わたしの顔を見たまま微動だにしないんですけど、一応こちらからご挨拶するべきですよね。
「初めまして、わたしはミ「ミラ!!!」……はい?」
ムギュゥ!!
十メートルは離れていたのに、瞬間移動かってくらいの速度で抱きしめられてしまったのです!
「ああ……ミラ……!ようやく会えた、わたしの娘……!」
涙まじりの声で名前を呼ばれ抱きしめられていると、わたしの胸の奥からも暖かく嬉しい気持ちが湧き上がってきたのです。
これもかつての魂のなごりなのですかね……。
なんだか泣きそうなのです……。
おずおずとこちらからも手を回して抱きしめると、さらにキュッと力を入れて抱きしめてきたのです。
ブワッとこぼれる涙。
記憶はないけど、心が分かっている。
あなたは……あなたこそは……。
わたしの……わたしの……!
ママーン!!
……今世での産みの母である角うさぎは、わたしを逃すためにゴブリンに捕まって哀れお亡くなりになっているのですが。
魂の母とも言える地龍王ママンに抱きしめてもらっていると、じわじわと嬉しさが湧き上がってくるのです。
明らかに愛情たっぷりでハグハグしているのですからね。
ひとしきりぎゅうぎゅうと抱きしめ、頭を撫でたり頬ずりしたあと。体に回していた手をほどき、今度はわたしの頬を両手で挟んで曰く。
「ああ……。もっと顔をよく見せておくれ……。」
涙を流しながらも喜んでいるという、泣き笑いのお顔を近づけじっくりとわたしの顔を確認したあと、わたしの両頬や額に軽い口づけをされたのです。
欧米か?
白人のご挨拶ですか⁈
角うさぎ的にはもう大人(2歳半)なんで、ちょっと恥ずかしいですけど、二千? 三千? 年ぶりの再会だから我慢我慢。
記憶は無いから三千年ぶりとか言われても実感は無いんですけどね。
まわりを見ると、人型になっている玉兎パイセンが口元を抑え、滂沱の涙を流して感動しているのですよ。
「……ううっ、グスッ……。地龍王殿も長きに渡る時をお待ちになった甲斐がございましたね……。おひいさまと再会できて本当にようございました……。」
リルたちも、もらい泣きで涙目ですね。
「……ミラお姉ちゃんは、お母さんと会えたのよね?
とっても良かったのよ!」
「……はい。現世の母君ではありませんが、ミラお姉様の魂の母とも言えるお方ですから。お姉様も感激されているようですね。」
「……ママ姉ちゃんの泣き顔はレアなのデス!」
ちょっと⁈
最後の一匹だけおかしくないですか?
……このままでは、また弱味を握られてしまいそうですし、感動の再会はこの辺で終わりにしておくのです!
地龍王(人型)の造形にモデルはいませんが、しいて言うなら初代⬜︎マサガの主人公の一人、女戦士のシフさんでしょうか。
髪の色や性格、言葉遣いなんかは違いますが、大柄で筋肉質な戦士ですね。
地龍王=茶色の髪、長身。筋肉質でダイナマイトバディ。
水龍王、火龍王=それぞれ青、赤の髪。平均的な身長、体型。
風龍王=翠髪、小柄。お胸は薄い。




