間話 その36 ケラス・ゲーダシュプス 真似をしちゃいけないのよ?わかった?(なにげに姉妹全員のゲテモノ食いが発覚)
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
間話もそろそろネタ切れ。
しかしながら、本編はまったく進んでおらず。
……夏休みの宿題が終わらずに、最終日に泣きながらやったことを思い出します。(−_−;)
もうひと月、お休みを延長してもいいでしょうか?
兎も角、これからも楽しんでいただけると幸いでありんす。
「それでね、この草を食べると魔力を強くできるのよ?」
リルはまわりに集まった、人間の子供たちに話して聞かせると、魔力草(仮)をムシャムシャと食べて見せたの。
うん。相変わらず苦ーいのね。
神殿で預かった子たちと遊んでいた時に魔法を使ってみせたら、わたしも使いたい!とか、使い方を教えて!って言われたから教えてあげてるの。
前にミラお姉ちゃんから教わったことを思い出しながら、最初は手を繋いで体に魔力を流す訓練をして。
そのあと、どうやって魔力を強くしたのかって聞かれたから教えてあげたのよ?
でも、近くで見ていた巫女さんに止められたの。
ついさっきまでニコニコして見てたのにね?
へんなの。
「リル様……。それはクラレ草ではありませんか?
たしかに魔力を多く含んでいるので、魔力回復薬の原料にもなりますが……未処理で食べるのはおやめになった方がよろしいかと……。
体を痺れさせる効果があると聞いておりますし、一度に多量に摂取すると死んでしまうこともあるとか……。」
「うん、もちろん知ってるのよ?
だから、少しずつ食べるの。
最初の頃は、ミラお姉ちゃんと一緒に食べて、二匹で痺れてたのよね。」
「…………。」
……巫女さんは目を丸くして驚いているの。
そんなに驚くことなのかなぁ……。
『強くなるためには必要なことなのです!』ってミラお姉ちゃんも言ってたのにね。
なんだか思い出したら懐かしくなってきたの。
ミラお姉ちゃんと一緒に、魔力循環訓練をしながら食べて、巣穴の中で痺れて丸くなって寝たなぁ。
あの頃はまだリルも1回目の進化をしたばっかりで、今よりずうっと力も魔力も弱かったし、戦うのもとっても怖かったの。
でも、強くなるために痺れながら魔力草(仮)も食べたし、熱を出して寝込んだりしながらも魔石を吸収したの。
なによりも。
あの、オークの王様と戦った時に分かったの。
家族を守るためには戦わなきゃいけない時があるって。
そして、そのためには強くならなきゃいけないんだって。
ミラお姉ちゃんに言われたからじゃなく、自分の意思で攻撃したのはあれが初めてじゃないかな?たぶん。
巫女さんが止めるから、仕方なく魔力草(仮)を食べるのはやめるように言うの。
そして、手のひらの上にアイテムボックスから小粒の魔石を取り出したの。
それを口に入れてポリポリと食べながら話すの。
「それじゃあ代わりに、魔石を食べてみる?
魔力循環しながら吸収するんだけど、最初は熱が出て寝込むから、食べるなら夜寝る前にするのよ?」
「リル様?!
人は魔石を食べることはできませんから!」
また巫女さんに止められたの。
まわりの子供たちもビックリしてるの。
前にミラお姉ちゃんが言ってた「ドン引き」ってこういうことなのかな?
でも、本当にそうかなー。
まだ弱かったリルたちにできたんだから、ちょっと強い人間なら吸収できると思うの。
さすがに子供たちには無理かもしれないけど。
それに、寝込んだりしたら家族の人たちも心配するから、やらないように言った方がいいかな?
あっ!分かった!
きっとこれは、前にミラお姉ちゃんが言ってた『危ないから良い子は真似してはいけないのです!』っていうことなの!
フッフーン♪
リルと違って、人間の子供は弱いんだから真似をしちゃいけないのよ?わかった?
『クラレ草 南方の大陸では狩猟に使う麻痺毒として知られている。魔力回復薬の原料にもなるが、未処理での生食などもってのほか。多量摂取すると筋肉が弛緩し、最終的には心臓麻痺で死に至ることも。』
ついに魔力草(仮)の正式名称が決まりました。ええ、昨日の夜に。(^^;
「魔力 草」で検索してもそれらしいのが出てくるんですけど、花が多いんですよね。
なので、「草 麻痺」で検索して設定しました。
元ネタはクラーレという、南米で原住民が使う矢毒です。
つまり、ミラさんたちは麻痺毒の草をハムハムと食べては痺れていたわけです。アホか。
そりゃあ、巫女さんもドン引きしますよね。( ̄▽ ̄;)




