間話 その35 モリガン・ド・グリーアン 見たか!これがレイの力なのデス!
いつも、つたない作品を懲りずにお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
ちょっと……本編執筆の進み具合が悪く、再開が遅れそうです。(−_−;)
ともあれ、これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
レイは今、ママ姉ちゃんと一緒に人攫いの盗賊たちの討伐に来ているのデス!
あの、嘘をつけなくした元貴族の人間から聞き出した情報で、賊どもの拠点を一網打尽にしようとここまで来たのデスが。
『レイ。わたしたちが直接参加すれば、もちろん簡単に事は終わるのです。
ですが、あまりやり過ぎては人間たちの面子が潰れてしまい、禍根を残すことになるのですよ。
ですから、わたしたちは裏方としてフォローに回るのが正解ですね。』
と、ママ姉ちゃんに言われたので我慢しているのデス。
レイに任せてくれれば、あっという間に終わるのに……悔しいけど仕方ないのデス。
あんな洞窟、レイなら一刀両断なのデスけど。
レイはママ姉ちゃんの肩の上で、ため息をつくのデス。
「なにを考えてるかは、なんとなく分かるけどダメですよ?
今回の賊どもは人攫いなので、奥に攫われた人が捕まっているかもしれないですからね。」
『……ママ姉ちゃんが神眼で見ればいいんじゃないデスか?』
すると、ママ姉ちゃんは「あっ。」と言って、片方の手のひらをもう片手でポンと打ちつけたのデス。
まさか、今気付いたのデスか⁈
「そうそう!そうでしたね!
いやー、うっかりしてたのです!アハハ……。」
レイが半目で見ると、目をそらすママ姉ちゃんなのデス。
その後は簡単に進んだのデス。
ママ姉ちゃんが、兵士を率いてきた騎士の人(ちょっと鎧がキラキラしてるのデス。)に話して、転移魔法で直接捕まっていた人たちを助け出し。あとは兵士たちが突っ込んで、おしまい。
ケガをした兵士たちや、重傷の賊はママ姉ちゃんが死なない程度に治してあげたのデス。
フンッ。優しいママ姉ちゃんに感謝するのデスよ?
生き残った賊たちを武装解除して、捕縛。
拠点にしていた洞窟の探索も終わり、さあ帰ろうという時に。
「レイ。洞窟がまた魔物や盗賊たちに再利用されるのも馬鹿らしいから、あれを壊して欲しいのです。
神獣変化は無しで。他の魔法やスキルは使ってもいいですよ?」
やったー!
さっすがママ姉ちゃん!
このまま帰っては、レイは何しに来たか分からなくなるところだったのデス!
ママ姉ちゃんの肩から飛び降りると、人化と同時に服を着るのデス。
いちいち服を着るのは面倒くさいのデスけど、ママ姉ちゃんやラン姉ちゃんが怒るから仕方ないのデス……。
そして、アイテムボックスから矛槍を一本取り出すと、頭の上でブンブンと回してからピタリと中段に構えるのデス!
これこそ戦神エリュフォドラ様から授かった神器。
その名も『戦陣砕き』!
フッフッフ。
兵隊さんたちも驚いて見ているのデスね。
「ちょっ……!神器はなしで……!」
ママ姉ちゃんが何か言いかけてるのデスけど、もう遅い!
左斜め下に振りかぶった矛槍を右上に切り上げるのデス!
「熱波飛斬!」
紅い斬撃が大きな弧を描き、小高い崖にくり抜かれた洞窟に向かって飛んでいくのデス。
ぽっかりと空いた洞窟の入り口を横切る形で斬撃が通り、さらに奥を切り裂いて……。
ズズズ…………グラグラグラッ……ゴロゴロガッシャーン!!
崖が斜めに切り裂かれ、崩れ落ちたのデスよ!
見たかっ!
これが、モリガン・ド・グリーアンの力なのデス!
矛槍を地面に立てて、得意げに振り返ると。
右手を顔に当てて目を閉じているママ姉ちゃんがいたのデス。
その向こうには、顔を青くした人間たちが。
?
なんで、そんな「やっちゃったわ〜。」みたいな顔をしてるんデスか?
こんなにキレイに崩したのに。
もっとレイを褒めて欲しいのデス!
『神器【戦陣砕き】 鍛治神が鍛え、戦神に与えられた矛槍。2本一対として作られている。それぞれの銘は【破陣】と【砕陣】。その名の通り、密集した重装甲の戦列すら容易に切り砕く。不壊。使用者が戦技を使う際の魔力を半減、威力、射程を倍にする。』
モリガンのネット解説にあった矛槍二刀流は、やはり神話の時代的にハルバードではなかったようです。
しかし。ハルバード二刀流のパワーファイター(しかも見た目中学生美少女)がカッコいいので、この作品の世界ではモリガンはハルバード二刀流でいきますね。^_^




