神兎 その38 わたしが使う武具の話
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これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
顔を赤くしてルーナ様を睨みつけているんですけど、ルーナ様はどこ吹く風でニコニコしているばかり。
……この余裕はいったいどこから来るんですかね?
まあ色ボケ神はほっといて、鍛治神様のお話を聞くのです。
『やっと聞く体勢になってくれたか……。
月神よ。ミルラーナが来てくれたのならばちょうど良い。
本人に確認するのが手っ取り早いからの。』
なんの話ですかね?
小首を傾げていると、ルーナ様が教えてくれたのです。
『ヴォルカルフタと話していたのは、ミラちゃんたちに渡す武装のことなんだよ。
既存の神器や武具、道具類で使えるものはもちろんだけど、ミラちゃんの使うものに少しだけ困っていてね。
仮にも亜神が使うに足る武器はそう多くない。
戦神の加護があるから、大抵の武器を使うのに問題はないとは思うけど、ミラちゃんに希望はあるかい?
それと、新たに作るなら材料から思案しないといけないからね。』
うーん、武器の材料ですか。
今、手元にあるのは、エルゾンことエルダーファイヤードラゴンゾンビの鱗や、牙に角。
おっ、角といえば、わたしの角剣じゃダメなんですかね?
『なるほど、ドラゴンの素材か。
それならば、鎧や武器の材料にはちょうどよかろう。
それと、主の角剣も悪くはないがの。
だが、元の材料はアルミラージの角であろう?
神気で変異、進化しておるがAランクの武器では、Sランクすら越えた亜神の武器としてはいささか頼りないな。
おそらく、今の主が全力を込めて振るえば耐えきれずに破損してしまうじゃろう。』
マジか。
角剣は、わたしの角からできた剣だから愛着があるんですけどねえ。
さすがに壊れるのを分かっていて使いたくはないですね。
となると、新しい武器をどうするか……。
『……ミルラーナよ。主の、今の角を材料にする気はないかの?』
今のわたしの角、ですか?
……うーん。たしかにアルミラージ時代の角よりは、今の亜神である神兎の角を使えば、すんごい武器が作れそうですけど。
でも、使うのはいいんですが、せっかくの綺麗な角を折ってしまうのはもったいない気もするのです。
片角の亜神とか、厨二臭くてカッコイイっちゃカッコイイですが。
「わたしの今の角を使えば、強い武器が作れるのは分かるのですが……。
切った角はまた生えてくるのですか?」
『角はミラちゃんの体の一部だからね。
おそらくは生えてくるだろうし、なんなら神気をこめた治癒魔法を使えばすぐに治るんじゃないかな?」
なんと!
まあ、たしかに奈良の鹿の角も毎年生えかわると聞いたような気も……。
片角になるとかのデメリットが無いなら問題ないですね。
「そういうことなら、よろしくお願いするのです。鍛治神様。」
前の角剣は、アルミラージの折れた角を、地上のドワーフっぽい鍛冶屋さんが加工してくれたのです。
そこに、わたしが神気と魔力を流して進化?したらしいんですけど。
今度は、亜神であるわたしの角を、なんと鍛治神様が自ら加工してくださるわけですからね。
いったい、どんなトンデモ武器になるか今から楽しみなのです!




