神兎 その37 誰が痴話喧嘩ですか!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
あれっ?
お話の区切りがつかない?
すみませんが、もう少ししてから長休になりそうです。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
……気の済むまでとは言ったものの、いつまでハグハグしてるつもりですかね……。
なんか、生身での、しかも人の姿でのハグだからか、少しばかり小っ恥ずかしいんですけど。
まわりで見ている、玉兎パイセンたちの生暖かい視線も居た堪れないですし。
いい匂いだし、以外と堅くて厚い胸板だなぁとか、銀髪巻毛の細マッチョイケメン婚約者(しかも神)に抱きしめられているんだなぁ、とか思うとさらに鼓動が速くなり、顔も熱くなってきたのです。
このっ……この甘ったるい空気をなんとかしたいっ……!
この状況から逃れる術はあるにはあるのですが……。
それをするのは、さすがに空気が読めなさ過ぎな気がしてですね?ちょっと気が引けるのですよ。
変化を解いて元の姿に戻るなんて、ねえ?
または……甘い空気を壊すためにオナラでもしてやろうか。
しかしながら、出そうと思ってそう都合よく出るものでもないですし、もし出てしまったとして、わたしのなけなしの女子力がマイナスに突入してしまいそうなのです。
ルーナ様に呆れられるのも、大笑いされるのも業腹ですし。
どうしたものかと考えていると……。
『ゴホン!……あー、そろそろ話をしても良いかの?』
にゃあ⁈
玉兎パイセンたち以外にも誰かいたんですか!
オナラしなくて良かったー!
かかなくていい恥をかくところだったのです!
『……ヴォルカルフタ。感動の再会に水を差さないでくれないかな?』
『いや、そうは言うがな。ワシもいつまでも待っていられるほど暇ではないからの。
それに、相手の方は離れたがっているように見えるぞ?』
誰かと思えば、鍛治神様でしたか!
ハグハグしてるところを見られたのは恥ずかしいですが、よく言ってくれたのです!
ルーナ様が、体を少しだけ離して『そうなの?』と聞いてきたので、慌ててコクコクと頷くのです。
すると、残念そうにしながらも、やっとこさ離してくれたのですよ。
『まあいいか。とりあえずは満足したし。
フフフ。ゴメンねミラちゃん。
久しぶりに会ったから……いや、現し身で会ったのは初めてだから感激しちゃって、ついね。』
「べ、別に構わないですけどね?一応は婚約者なわけですし……。
それよりも、挨拶くらいさせて欲しかったのですよ!
断りもなく急に来た、わたしも悪かったですけど!」
サプライズする予定が、逆に驚かされてしまったのです……。
ま、まあ別に悔しくなんかないんですけどね?
……悔しくなんか……悔しくなんか………………うわーん!やっぱり悔しいーっ!
いつか、いつか絶対にギャフンと言わせてやるのです!
むすっとして、上目遣いで見上げていると。
『……ミラちゃん。そんな目で見て……僕を誘ってるのかい?』
「なんでそうなるんですか!」
『いてっ!』
こんの色ボケ神めっ!
思わずルーナ様の腕をひっぱたいてしまったのです!
主である神さまを、ツッコミとはいえ叩いてしまってゴメンなさい!
でも、ツッコまれること言うルーナ様が悪いのですよ!?
『痴話喧嘩はそのくらいにしてくれんかの?
話を進めたいのだが……。』
誰が痴話喧嘩ですか!
って、婚約者同士のケンカだから、痴話喧嘩でしたね!はい!
たしかに進まないから、お話をどうぞ!




