アルミラージ その24 美味しく(性的な比喩ではなく食料及び経験値的に)いただくのは、このわたしなのです!
さあリルはどう答えてくれるのですか?
『そんな! みらおねいちゃんをおいてなんていけないの!」
ナイス! さすがわたしの妹分なのです!
完璧な解答、ありがとうなのです!
しかしリルの場合、完全に素で反応している分、たちが悪いのですけど。
『フン、リルがいては足手まといになると言っているのです!
お前はまだゴブリンすら一匹では倒せないではないですか。』
そう返すと、リルは何も言えなくなるのです。
今のリルのステータスなら、ゴブリンくらいは余裕で殺せるのですが、やはり性格的な問題で一人では戦えないままなのです。
わたしは口調を和らげて続けるのです。
『心配しなくてもオークどもを適当に狩って足止めしたら、すぐに後を追うのですよ。
それともリルは、とても強いこのわたしがオークごときに負けるとでも思っているのですか?』
くっ、また涙目なのですよ!
しかし! ここで絆されるわけにはいかないのです。
リルの命がかかっているのですから!
ぶっちゃけ、リルの迷彩なら隠れてやり過ごすこともできるかもしれないのですが、鼻のいいオークを相手に油断は禁物なのです。
というか十中八九、見つかって美味しく(性的な比喩でなく食料的に)いただかれてしまうに決まっているのです。
そんなことはさせないのですよ!
ですが、勘違いしないで欲しいのです。
わたしはすこーし情がうつったリルを目の前で(性的な比喩でなく食料的に)食われるのが我慢ならないだけなのです!
『勘違いしないで欲しいのです。
わたしは獰猛な肉食獣、アルミラージなのです。
ちょっとオークどもを腹いっぱい食べたくなっただけなのですよ。
お前は巣穴に戻って、のんびり草でも食べていればいいのです!』
ブワッと涙を溢れさせるリルなのです……!
まだまだ! まだ耐えるのです!
『さあ、さっさと帰るのです。
ここから一番遠いスィートマイホームまで走るのです!』
『みらおねいちゃん! りる、まってるからぜったいかえってきてね! やくそくなのよ!』
そう言って走り出す、リルなのです。
ふぅ、やっと行ってくれたのです。
今のはヤバかったのです。
何がって、可愛くて萌え死にしそうだったのですよ。
ハッ⁈
違う違う、違うのです! 可愛いなんて思ってないのです!
萌えてなんてないったら、ないのです!
そ、そんなことはどうでもいいので、オークどもの相手をするのですよ。
今度も美味しく(性的な比喩ではなく食料及び経験値的に)いただくのは、このわたしなのです!




