神兎 その33 市中引き回しの上、磔、獄門!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
一応、一区切りしましたが、最終章(的な部分)に入る前にやりたいシーンができてしまったので、もう少しだけ続けた後、久しぶりに長休をいただこうかと思っています。
とりあえず一ヶ月くらいかな?
これからも楽しんでいただけると幸いです。
ハゲブタコンビの余罪が明らかになるにつれ、その被害者たちも徐々に救い出されてきたのですよ。
中でもブタの被害者を気にしていたのですが……。
不幸中の幸いというべきか、ブタの毒牙にはかかっていなかったのです。
……よかったよう。
時系列的には、捕まって売られてから数日しか経ってなかったようで、この女の子の両親も無事に見つかったのです。
今は目の前で抱き合って泣いているのですが、これを邪魔するのは不粋というもの。
心ゆくまで親子水入らずを堪能するのですね。
女の子は、とりあえず眠らせてから記憶を探り、闇魔法で腐れブタ野郎の記憶をすべて消しておいたのです。
これで二度と思い出すことも無くなったはず。
ついでにわたしの祝福もあげて、しばらくは神殿で様子見ですね。アフターケアも万全にするのですよ。
他にも、違法奴隷として売られた者たちの心身の傷を癒やして、帰る場所があるものは帰し、ない者も落ち着ける場所を探すのです。
時おり、ハゲが使っていた山賊や盗賊団などの武装集団を国が討伐するのを、リルたちに協力してもらっているのですが、今のリルたちなら百人規模の大集団でも余裕のよっちゃん。
たとえ百人が千人、万人なっても所詮はただの人間たちですからね。
軽く殲滅できるのでまったく問題ないのです。
そうそう、ハゲといえば取り調べがあらかた終わった後に、断罪してやったのですよ!
今回は趣向を変えて、精神を責めてみたのです。
名付けて闇魔法『無間断罪地獄』!
よっ!厨二っぽい!
ハゲには大切な家族が傷つけられ、売られて、殺されてという体験を延々と受けてもらったのです。心の中で。
無理くり思考加速と闇魔法で体感速度を上げて、普通の人生を何度も繰り返し、そして賊に捕まって売られることを何度も何度も味わってもらった結果。
元々少ない髪の毛は白髪になった上、さらにまだらに禿げ散らかしたのですよ。
これで、ようやく奴隷として売られることの苦しみと悲しみを理解したようですね。
充分に後悔したところで、処刑はお国に任せるのです。
見届ける必要もなし。いざ、さらばなのです。
んでもってブタの方はというと。
同じく、『無間断罪地獄』で発情したオークの群れにカマを掘られる体験を延々としてもらったのです。
時々、女性に性転換したバージョンも入れて。
当然、泣き叫んで苦しんだのですよ。
ざまー。
自分が受けてはじめて、自分が犯した罪業が分かったのですね?
無理矢理尊厳を奪われるということの痛みが。
しかもまだ余罪があって、過去に毒牙にかかった者たちに飽きたら殺したり、さらに娼館に売り飛ばしていたとか。
……時間が経ち過ぎていて、売られた者たちを見つけられるかは分からないですが、できるだけのことはしたいですね。
生きてさえいれば、わたしがなんとかしてみせるのです。
んで、ブタも当然のことギルティ(有罪)なのです!
市中引き回しの上、磔、獄門!
ブタの身内で、見て見ぬふりをしていた者たちは遠島を申し付けるのです!
って、江戸のお白洲じゃないんですから!
裁くのはやはり国に任せるので、適切な罰を与えるのですよ?
ミラ『市中引き回しの上、磔、獄門!
余の者は遠島を申し渡すのです!引っ立ていっ!』
リル『ミラお姉ちゃん、獄門ってなーに?』
ミラ『……なんでしょうね?』
ラン(メタ)『獄門は、罪人の首を切ったあとに刑場の門の前に首を晒すことですね。
遠島は流罪、遠い島に追放することです。』
ミラ『なんで、日本の時代劇に出てくる言葉を知っているんですか⁈』




