神兎 その28 亜神顕現
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
冷ややかな目線を送って、いざ断罪タ〜イム!と思ったら、まだ言い募るのですよ。口の減らないハゲですね!
「月神の婚約者に神獣だと?
フン!どうせ下賤の女の婚約者など、同じ下賤の者に違いあるまい!
違うというなら証拠でも見せてもらおうか!
どうせ何も出せまいがな!
その婚約者とやらに罪が及んでも良いのか?
今ならわしの力で助けてやることもできるぞ?」
「ブホホホ!お前の妹たちとやらの心配ならいらないですよ。
みんなまとめて、我が輩が可愛がってやろうほどにな?」
……ブッチーン。
わたしの中の何かが切れたのです。
わたしのことだけならば百歩、いや一億歩譲って見逃してやってもよかったのですが。だって元角うさぎですし。
あ、もちろん天罰は別件で落とすつもりですよ?
けれども、ルーナ様のことを下賤の者呼ばわりしたばかりか、わたしの大事な家族を腐れ欲望の餌食にしようと?
冗談でも言っていいことと悪いことがあるのですよ。
しかも、正真正銘本気で言ってるとか…………。
ふざけるんじゃないのです!!!!
リル!ラン!レイ!
総員、神獣変化!
証拠が見たいというのであれば、見せてやろうじゃないですか!
『分かったの!』『かしこまりました!』『了解なのデス!』
わたしも、たぎる激情を抑えて目を閉じ俯くと、全身に神気を巡らせるのです。
わたしが顔を伏せたことを勘違いしてか、勝ち誇ってさらに何か言い募るハゲとブタ。
もはや聞く耳持たないですが。
………………ルーナ様。
ちょーっとばかし切れてもいいですか?いいですよね?婚約者を侮辱されたわけですからね?わたしがこれからこいつらになにをしても無罪ですよね?ルーナ様とリルたちを侮辱したこいつらが悪いんですからね?ね?ね?ねっ!?
『ちょっとちょっと!早口で怖いよミラちゃん!
分かったから!許すから、やっちゃって?』
よーし!許可ももらったし、心置きなくお仕置きタイムなのです!
神気解放!
神獣変化!
亜神となったことで、さらに数倍まで増した神気が溢れて広間を満たすのですよ。
羽織っていたケープっぽい布を押しのけて黄金の翼が広がり、額から白銀の鹿の角とその後ろにうさぎ耳。
両手、両足に同じく金色の獣毛と爪と肉球。
最後に狼のしっぽが生えて出来上がりなのです。
フハハハハハハ……。
亜神にして神獣である、神兎ミルラーナの威光に平伏すがよい!
戦隊モノなら、クライマックス前の変身シークエンスですね。(๑˃̵ᴗ˂̵)
リル『ケラス•ゲーダシュプスのリルルーナ!』
ラン『セイリオスのユウラン!』
レイ『モリガン•ド•グリーアンのレイリーン!』
ミラ『そして、亜神にして神獣。神兎、ミルラーナ!』
全員『神獣戦隊ツノウサシスターズ!月に代わってお仕置きなのです!』
全員で決めポーズのあと、背景に爆発!ブゴーン!




