神兎 その27 粘っこい目でこっち見んな!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
今日は、『悪役令嬢の中の人』のマンガ版3巻と『わたしの心はおじさんである』の書籍版を………予約したので、楽しみに待ちながらポチポチと執筆します。
『中の人』は、主役の表情の凄みがエグいです。
あの表情にはゾクッときましたね。
兎も角、楽しんでいただけると嬉しいです。
「アストリス伯か。
ミラ様はわたしたちを魔物の魅了から解き放ってくださり、さらには公都と民を守り抜いてくださったのだ。
このお方を信じずして、他の誰を信じよというのか。」
「むうっ……!」
冷静に返されて、言葉に詰まるハゲ伯。
もう、いい加減諦めればいいのに……。
お前の味方なんて、だーれもいないっぽいのですよ?
と思ったらいたのです。腰巾着みたいなのが。
「い、いやいや、公子殿下までも騙されておられるなど、誠に残念でなりませんな!
伯爵の言う通り、どこの誰ともつかぬ女どもと建国期から続く名家であるアストリス家の当主と、どちらを信じるかなど明白でございましょう!ブホホホッ!」
こいつは……粘っこい視線の奴か。
風船おやじに勝るとも劣らぬビッグぼでぃ。
うへぇ……こっち見んなし。
「そう!子爵の言う通りである!
だいたい、なぜこの場にボーダン侯爵が居ないのですかな⁈
侯爵の屋敷は壊された上に、侯爵邸で働く人々も皆、行方知れずとか。
存在しない魔物のせいにして、我らが派閥の盟主を捕らえ力を削ごうという謀りごと、気付かぬと思ったか!」
うわー。めっちゃドヤ顔。
ハゲおやじのドヤ顔なんか見たくないのですが。
しかも、あさっての方向に勘違いした迷推理には、呆れるしかないですね。
周りの人達も「何言ってんだ、こいつは。」みたいな目で見ているのですよ?
本人たちだけ気付かずに、シーンと静まり返った謁見の間を、自分の名推理に感心していると思っているのです。
側から見ればギャグか、すれ違いコントですが、当事者として巻き込まれると楽しんでもいられないですね。
いい加減、茶番にも飽きてきたので終わらせてやろうかな?
あんまり見たくはなかったけど、確認してみたら見過ごせない称号を持ってたのですよ。
しかも、ご丁寧に隠蔽まで持っているようですし。
だがしかし!
このわたしの『神眼』からは逃れられないのです!
『国賊 主君を蔑ろにして、自分たちの利益だけを追求する者。行き着くところは反乱か、自滅か。』
『違法奴隷売買の元締め 水運業の利権を持つため、それを利用して違法奴隷の取り引きをしている。辺境の村人や旅人などを拐って売り飛ばすため得られる利益は絶大である。』
『異常性愛者 口にするのも悍ましいが、この男は男女問わず見目麗しい子供を性欲の対象としているようだ。いずれ天罰が下るだろう。』
虫酸が走るとはこのことですか。
前二つはハゲ伯の、最後のはブタ子爵の称号なのです。
誘拐して奴隷として売るとか、子供を毒牙にかけるとか……。
こいつらは風船おやじと同じくらい苦しめて殺したいところですね!
お忘れかもしれませんが、ボーダン侯爵は黒鳥に殺されて生け贄にされた出落ち死にの貴族です。
神殿を占拠した張本人ですね。
もちろん、ミラさんも忘れてます。
出たと思ったら殺されて、忘れられるなんて少しだけ哀れですが、生き残っても断罪されてたかもしれないから、結果は変わらないかもですね。
(^^;)




