神兎 その23 信じるか信じないかはあなた次第
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
今日は、悪役令嬢、ブラコンにジョブチェンジのマンガ版3巻と戦場は女の顔をしていないの4巻が届いたので執筆はお休みです。
というか、ブラコンが3巻で完結⁈なぜ!
ここからがいいところなのに〜!(>人<;)
……仕方ないから小説版を推して参ります。
これからも楽しんでいただけると嬉しいですです。
推定大公さんから五メートルほど離れた位置で足を止めるのです。
そして、みんなで右手を胸元に当ててお辞儀。
跪かないからか、周囲がちょっとだけざわつくのです。
でも、こっちはみんな神官っぽい服装ですからね。
神職は世俗の権力には従わなくていい(byクリスさん)はずですから、ムッとしても文句のつけようはない、ってところですかね。
それらざわめきを無視して、正面の大公さん(仮)が声をかけてきたのです。
「よく来てくださった。
わざわざお呼びだてして申し訳ないな、ミラ殿。
わたしがこの国の大公を務めている、ハインツだ。
以後、お見知りおき願おうか。」
椅子に座っている、少しやせ気味で濃い茶色髪のおじさんが大公さん(確定)で間違いないようですね。
目元や額には皺があり、髪と同じ色のお髭や髪には白いものが混じり始めているのです。
一国の主ともなれば、相応に苦労しているんですかね。
まあ、それもノブレスオブリージュでしたか?
高貴な生まれの義務と思って耐えるのですよ。
とりあえず名乗られたならば、こちらも名乗り返すべきですよね。
「はじめまして、大公殿下。わたしの名前はミラ。
もうご存知のことと思うのですが、月神ルーナラーナ様にお仕えする眷属にして神獣なのです。
そして、こちらは元はわたしの従魔であり、今ではそれぞれ神々に仕える神獣となった、わたしの妹たち。
名前は右からリル、ラン、レイなのです。
こちらこそ、よろしくお願いするのですよ。」
わたしの自己紹介にやっぱり少しざわめく周囲の人たち。
神獣とは名乗っても人の姿をしているからか半信半疑のようですね。
信じるか信じないかはあなた次第、といったところ。
……わたしたちは都市伝説なのですか?
「さて、だいたいのことは昨日使いの者から聞いたが、改めて聞かせてもらえるだろうか。
昨日、我が公都にいったい何が起きたのかを。」
大公さんの言葉に頷くと、わたしは話し始めるのですよ。
まずは、わたしたちとフィリーが出会った顛末からはじまり、道中でのアンデッドの襲撃と黒鳥との遭遇。
国の主要人物たちが魅了されているかもしれないから、確認して魅力を解除しようとしたこと。
そして、公都に着いてからの黒鳥(特大)が現れたこと。
神殿の前庭に叩き落としてとどめを刺したこと。
さらには、黒鳥の主、堕ちた女神エルウィナスが神器を媒介にして化身を顕現させ聖域を穢したことと、神器を破壊し化身を倒したこと。
途中、フィリーやクリスさん、ランが合いの手を入れて補足したりしながらも話は進んでいくのです。
ちなみにフィリーは大公さんの近くに立っているのですよ。
クリスさんは巫女になったから名目上は俗世からは離れた立場ですけど、フィリーは現役のお姫様ですからね。
世俗の権力側と神殿側、どちらにも仲間がいるのは話が進めやすくて大変結構なのです。




