神兎 その22 ところ変わって、城の中。
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
やっと話が少しだけ進みました……。(^^;
おかしいなぁ、一話千文字でサクサク進んで、今頃はとっくに完結しているはずだったのに……。
とにかく、これからも楽しんでいただけると幸いです。
「し、神獣ミラ様御一行、並びに月神殿の巫女クリスティア様ご入来!」
ところ変わって、ただいまお城の中。
謁見するらしい広間へと続く、両開きの扉の横にいる人が中にいる人々に伝えるべく声を張り上げるのです。
いつもは慣れているはずなのに、ちょっと噛んでしまったのは、呼び出す存在が特殊すぎるからですかね。
神獣が謁見するなんて、そりゃあ初めてに違いないのです。
まあ、呼び出されたのは、わたしたちなんですけどね?
わたしを先頭に、リル、ラン、レイとクリスさんが大きな部屋に入っていくのですよ。
リルたちは全員人型。
そして、わたし以外はみんな神官服的な白い貫頭衣っぽいのを着てるのですが……よくリルのサイズがあったものですね。
具体的には、小4か小5、人間でいう10歳くらいの体格なのです。
子供のうちから見習いとかいるんですかね。分からんですけど。
さすがに謁見するのに動物の姿は失礼かもと思って、みんなには人型になってもらったんですけど、神獣って紹介されたんなら本来の姿でもよかったかもしれないですね。
謁見の間とはいっても大国ではないからなのか、ごく普通の広間なのです。
奥が段になっているわけでもなく、天井がめっちゃ高いわけでもないですし。
ただ、左右の壁には縦に長いガラス窓がいくつも並び、そこから入る陽光が床や白壁にあたり、室内を明るく照らしているのです。
壁に沿って立ち並んでいるのは廷臣とか貴族たちですかね?
そして、一番奥に豪華な椅子に座っているのが、この国の元首であり、フィリーとクリスさんの父親である大公さんですね。たぶん。
衆目の中を堂々と足を進めるわたしたち。
左右からは好奇、感嘆、嫉妬なんかが混ざって混沌とした視線を感じるのですよ。
好奇の目ならば、まだしも好意的に見られていそうですね。
神獣であるわたしたちに興味を持ったということですから。
感嘆もまあ分かるのです。
美女、美少女合わせて四人。いやクリスさんを入れれば五人そろい踏みですからね。めっちゃ華やか。
逆に嫉妬は女官や、貴族の奥さんとかですかね。
面倒くさいからスルーで。
そして……あんまり気付きたくもないんですが、好色そうな粘っこい目もいくつか……。
うひぃ!気色悪っ!
サブイボ立ったのです!
しかも、わたしやランはまだ分かるのですが、どう見ても中学生くらいのレイや小5くらいのリルにまで向けるのはおかしくないですか⁈
長いこと特権を享受すると、趣味嗜好も腐りやすくなるんですかねぇ……。
実を言うと、リルもレイも本来の姿では充分に(性的にも)成熟してると思うので、結婚、出産もできると思うのですよ。
ただし、それぞれ角うさぎやカラスとして。
しかも、種族が変わった上に眷属になっているから、実際に子作りできるかは分からないんですけどね。
兎も角、リルやレイに求婚するのなら、まずわたしの許しを得るように!
そもそもリルも、レイにランも人間なんぞに(性的に)興味はないですけどね!
ミラ『妹たちに求婚したくば、このわたしを倒してからにするのですね!』(๑`ω´๑ )ノ
ルーナ『いや、それこそ無理ゲーだから!リルちゃんたちに結婚させない気かい⁈』Σ(^◇^;)
リル『? ミラお姉ちゃんのそばから離れて結婚なんてしないのよ?』(╹ω╹)




