アルミラージ その22 ミラーズ・ブートキャンプ。ビクトリー!
念話が使えるようになったので、威嚇しなくてもリルにお留守番を命じることができるようになったのです。
別れ際にまた涙目になるのですけど……。
どんだけわたしが好きなのですか……。
まあ、ある意味命の恩人みたいなものなのですから仕方がないのです。
あれから20日くらいたったのですが、最近の日課は朝晩の魔力循環訓練。さらには角を使った攻撃パターンをいくつか練習させるのですよ。
まずは突き! 次に切り払い! 合わせ技でワンツー! ワンツー!
そこ! 腰が入っていないのです! わたしたちは非力な角うさぎなのですから、攻撃は常に全力で行わなければならないのですよ!
それ、ワンツー! ワンツー!
よし! 今日のところはここまで! ビクトリー!
……コホン。ハイテンションで失礼したのです。 当然、寝る前には魔石か魔力草を自分も食べるし、リルにも食べさせるのです。
熱が出たり麻痺ったりして苦しそうなのですが、これを乗り越えた先に栄光が待っているのですよ!
昼間は食料を探しにスィートマイホームを巡回するのです。
スィートマイホームをさらに増やしたりすることもあるし、その時はリルにも手伝わせるのです。
働かざる者食うべからず、なのです。
角うさぎの主食は無料でそこらに生えているのですけどね。
リルは連れて行く時もあれば、留守番する時もあるのです。
連れて行った場合、獲物がいれば殺させるのです。
わたしが痛めつけて、とどめだけ刺させるのですが、ちょっと過保護なのですかね?
しかし、安全にレベルを上げるためにはしょうがないのです。
レベルが上がって強くなれば、それだけ生き残れる確率も上がるのですから。
ただ、やっぱり普通の角うさぎだったリルには、自分から殺しにいくのはハードルが高いのですね。
相手に反撃する余力が無いとわかっていても、なかなか攻撃出来ないのですよ。
いつものように涙目になってプルプルするのですが、そこは心を鬼にしてやらせるのです。
Fランクに進化したとはいえ、角うさぎは底辺の魔物なのですから。
底辺の魔物の命など軽いものなのです。
殺されたくなければ、相手を殺す覚悟や強さが必要なのです。
もちろん敵わない相手なら逃げればいいのですが、いつも逃げ切れるとは限らないのです。
それに逃げるのにも素早さや、走り続ける体力が必要ですし。
必然的にレベル上げは必須なのですよ!
できればさらに進化するくらいまでは鍛えたいのですが、自分から戦えるようにならなければ難しいと思うのです。
こればかりはリルの気持ち次第なのですよ。
毎日訓練しているので魔力は強くなっているし、身体強化も覚えたのです。
当然、まだまだ使いこなせるわけではないのですけど。
それに付随して魔力撃も覚えたのです。
これで魔力視を覚えれば、わたしが角うさぎ時代に覚えたスキルはほぼコンプリートなのです。
あとはスィートマイホームを使った、バックスタッブを使えるようになれば完璧なのです。
そこまでやれれば、ひとり立ちを認めてやらんこともないのです。
精進するのですよ!




