神兎 その13 かいお◯けん三倍でザオ◯ク!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いです。
フィリーたちに案内されたのは神殿の広間。
昨日、怪我人の治療をするために広間を解放したらしいのですよ。
ランのフォローもあって治療はできたそうですが、一時は野戦病院のような様相だったかもしれないですね。
残っているのは重傷のために大事をとって泊まった者と家族。
そして、数名の死者とその遺族。
ぱっと見では犠牲者は小さな子供が多く、次に老人ですか。
付き添いの人には神殿から毛布を貸したようですが……。
体を横たえた三、四歳くらいの男の子のそばには、ひとりの女性が。
目に濃い隈があるし、憔悴し切った様子からたぶん寝てないですね、この人。
ひょっとして、死んだ子供のお母さんなんですか?
……大切な子供が理不尽に殺されてしまったら、そりゃあ眠れるわけもないですか……。
近づくと跪いてお願いされたので、わたしも片ひざついて答えたのです。
「確約はできないですが、出来るだけのことはするのです。
ですので、ここで見たことはできれば言いふらさないで欲しいのですよ。」
わたしの言葉に察したのか、クリスさんが聞いてきたのです。
まあ確認しただけとも言うのですけど。
「ミラ様……。よろしいのですか?」
「わたしの正体をあまり広めたくはないですが、昨日姿をさらしてあれだけ戦ったのですから、今さらですね。
それに出来るだけのことをする、と言ったのです。
ならば全力で行使するだけのこと。」
そう。昨日は都市の上空で大立ち回りしたわけで。
逃げろとは言ったものの、たくさんの人に見られたと思うので、今さら一人や二人……いや十人や二十人増えたところで気にしないのです!
……でも、あんまり言いふらさないでね?
憔悴ママに微笑んで肩をさするのです。
ついでに軽く治癒魔法もかけてと。
子供が生き返っても自分が倒れては意味がないですよ?
何度も深く頷き、さらに頭を下げてお願いされたので、こっちも心置きなく全力出すのですよ!
文字通り、人間離れした膨大な魔力をさらに増強するためにすることは一つ。
寝かされた子供の横に跪くと、手を組んで祈りの形に。
目を閉じて全身に神気をめぐらせ、神獣変化(亜神)するのです!
『神獣変化(亜神) 全身に神気を巡らせて、神獣の真の姿を現す。亜神となったことで扱う神気が大幅に増えた。全能力値が三倍になり、神気や魔力を伴わない通常の物理攻撃では傷つかなくなる。一日のうち12時間まで使用可能。また、通常の変化は一日のうち18時間まで使用可能。』
か◯おうけん三倍で蘇生魔法行使!
精神を集中し、魔力を高めて祈りの言葉を唱えるのです……。
「ルーナ様。
罪なき子供が悪しき魔物のために、その幼い命を奪われたのです。
この者を憐れに思われたのなら、どうかお力添えを。
願わくば、この子の魂が輪廻に転ずる前に、再びこの世界に呼び戻すことを許して欲しいのです。」
子を亡くした親の嘆き。
親を失った子の悲しみの涙。
そんなもの見たくはないのです。
そ、れ、に!
今回のことは黒鳥が暴れて瘴気を撒き散らした被害なのです。
ひいては、あの堕女神の封印が甘かったから起きたこと。
つまり!ルーナ様たちにも責任があるのではないですか⁈
分かったら大人しく手伝うのですよ!
『分かった!分かったから!
もとよりミラちゃんの願いなら、大抵のことは聞くから問題なし。
その子たちの魂はまだその場に残ってる。
ミラちゃんが導いてあげてね?』
言われてみれば、たしかに魂の存在を感じるのです。
……これが生と死、復活を司るルーナ様の権能、その一端なのですか?
憔悴して疲れ切った母親を心配して、ずっとそばにいたのですね。
……優しい子。
でも、次は直接手で触れて安心させてあげるのです。
さあ!体に戻る時間なのですよ?
「死者蘇生!」




