玉兎 その171 わたしは恩知らずな角うさぎじゃあないんですからね!
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m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いです。
うーん、うーん。
ぶっちゃけ、とっても面倒くさいのですけどね。
だって化身でさえ、あんな粘着な性質のなんだか分からない生き物になってしまったのですよ?
めっちゃ憎まれてたし。
その本体のお相手をしなきゃいけないとか、正直勘弁して欲しいのです。
ですけれど、たっぷりと支援してもらえて、なおかつ勝算があるのなら引き受けるのも吝かではないのですよ。面倒ですけど。
……なによりも。
面倒だからって、大恩あるルーナ様を矢面に立たせておいて、自分だけ高みの見物とかしたくないのです。
わたしは、恩知らずな角うさぎじゃあないんですからね!
まあ、ルーナ様があんまり引き受けて欲しくなさそうっぽいのは少し気になるのですけど。
『分かったのです。
そのご依頼、お引き受けするのです。
正直に言えば、わたしに出来るかは分からないのです……。
ですけれども、わたしと妹の命を助けて下さったルーナ様に戦わせるのは眷属としての名折れ。
かの女神はわたしたちが倒してみせるのですよ。』
太陽神様の目を真っ直ぐに見つめて、ひと息に言い切ったのです。
『ミラちゃん……。』
隣でなんか感動したっぽい人がいるのですけどやはりスルーで。
と思ったら、別口から声をかけられたのですよ。
『よく言った!!』
ビクゥ!
横合いから急に大きな声を出されてはビックリするじゃないですか!
『気に入ったぜ、ミルラーナよ!
お前とその家族には、この戦神エリュフォドラから加護を与えよう!
見事、エルウィナスを屠ってみせよ!』
『ふむ。この鍛治神ヴォルカルフタからも加護を送ろうぞ。
望むのなら、なんぞ武具を授けるのも良いかの。』
え、えーと、今、戦神って言ったのですか?
さっき見た白銀の鎧兜を身につけた女神が歩みよりながらも話しかけてきたのですよ。
顔は見えているタイプの兜から、真っ赤なクルクル巻き毛があふれているのです。
ちょっとワイルド系な美女ですね。
それにしても声がデカい!
あと口調が砕けてるのですね。男っぽいし。
まあ、戦を司るのですから、戦場で指揮をとるのに声は大きい方がいいのかもしれないですけど。
あと鍛治神ですか。
茶色の長い髭を三つ編みにした、ずんぐりした体型。
まんまドワーフっぽいですね。
肩から腕がむき出しなのですが、ムッキムキなのです。
同じムキムキでも変形ゴリラと違い、いたって健康的に見えるのです。
そして、太陽神様はゆっくりと大きく頷いたのですよ。
横やりにも動じないとは、さすが序列第一位の最高神。
『いいだろう。
我々は、月神の眷属ミルラーナが、堕ちた女神エルウィナスを消滅させることに協力をする。
ミルラーナは、神々の協力を得て、エルウィナスを消滅させる。
エルウィナスを消滅させたならば、我々はミルラーナを神へと昇神させる。
以上をもって、我ら神々とミルラーナの契約とする。』




