アルミラージ その20 『おねいちゃん?』
これがリルのステータスなのです。
ホーンラビット(従魔) lv1 ♀
名前 リル
ランク F
HP 49
MP 33
STR 35
VIT 28
AGI 52
MGI 35
スキル
逃走 主従念話 魔力感知 気配感知
称号
ミラの従魔 被保護者 可愛い妹分
色々とツッコミどころが多いのですが、まずは能力値が急上昇しているのです。
ところによっては3倍近く上がってるとか、進化スゲーなのです。
これだけ強くなれば、ゴブリンとも正面から戦っても勝てそうなのです。
スピードで圧倒すれば無傷でいけそうなのですよ。
ランクも上がっているのですし。
まあ、リルの根性から直さないと、正面から戦うなどとても無理だと思うのですけれどね。
それに、もともとわたしだって正面から戦うなんて、明らかな格下でもない限りはやらないのです。
進化前には格下なんて存在しなかったのですし。
主従念話なんてホントに出来るのですか?
意思疎通ができれば、色々変わってくるのですが。
べっ、別にずっとボッチで寂しかったとか、会話に飢えてるとか、今よりもっと可愛がれるとか思っていないのです!
そう! 魔力感知を手に入れているのですから、魔力循環の訓練がはかどるというものなのですよ!
説明とか出来るのですから!
……というか、会話出来る知能があるのですかね?
普通のうさぎがどのくらいの知能を持っているのか分からないのですが、確か犬が人間の3、4才程度の知能を持っていると聞いたような気がするのです。
当然、個体差はあるのと思うのですが、幼児に魔力循環の説明……出来る気がしないですね。
これはリルが起きてから考えるのです。
スキルの気配感知や、称号の従魔、被保護者は分かるのですが。
最後のはなんなのですか⁈
『可愛い妹分』って!
『可愛い妹分 姉兄など、年上や立場が上にあたる存在から可愛いがられやすくなる。』
説明など求めていないのです!
むっきー! わたしだって可愛いがられたかったのです!
どうせ可愛げのない猛獣なのですよ!
というか年上など存在しないのですし!
まったく、末っ子ポジションはいつの世でもずるいのです。
お姉ちゃんはいつも我慢しなければならないのですよ。
って、誰がお姉ちゃんですか!!
妹分だなんて認めないったら、認めないのです!
あくまでも居候として! 仕方なく! 置いてやっているのですよ!
ひとりで鼻息も荒く盛り上がっていると、となりでもぞもぞと動き始めたのです。
リルが起きたのですね。
すると頭の中に声が聞こえてきたのです。
『? おねいちゃん?』




