玉兎 その160 ピータ◯ラビット登場⁈
いつも、テンプレの前書きをお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
あっ、もちろん本文をですよ?
『うるさいのです!
わたしだって、好きで角うさぎに生まれたわけじゃあないのですよ!
それでも、必死になって生き延びてきたのですから!
お前なんかに非難される謂れはないのです!』
反論が返ってくるとは思ってなかったのか、笑うのをやめ、動きを止める黒女神(変形ゴリラ)。
『それに、他人、いや他角うさぎのことを言える格好ですか?
黒いのはさておくとしても、獣の足に腕が5本とか。
そんなお姿で美の女神ですか……?
ププッ、笑かさないで欲しいのです!』
うわあ、怒った怒った!
叩き潰そうと両手を組んで打ち下ろしてくるのですよ!
もちろん素直に食らう気はないので、逃げようとするのですが……。
半端に脱げかけたドレスが邪魔!
動きづらい!
転移魔法を発動しようとするのですが間に合わない⁈
しかし、間一髪!
ランが横合いからすくい上げてくれたのです!
ありがとう、ランちゃん!
続けて攻撃してくる黒女神(変形ゴリラ)の拳を避けながら、ランからお小言を言われたのです。
『ミラお姉様、敵を無闇に煽るのはおやめください……。
神獣変化が解除されて、戦力も落ちているのですから。』
うう、ごめんなのです……。
でもでも、あれは言い返さずにいられないというか。
こう、自分の"あいでんてぃてぃ"を否定されたような気がして許せなかったというか。
つまり、わたしは悪くないのです!
悪いのは、めっちゃ笑って煽ってきた黒女神(変形ゴリラ)なのですよ!
『もちろん、わたしもお姉様を馬鹿にするのは許せません。
ですが、もう少しだけ慎重に行動なさってくださいね?』
……分かったのです。
うーむ、また妹に諭されるとは。
お姉ちゃんの権威がガタ落ちですね。
ここは、サクッと倒して復権せねば!
しかし、どうしたものか。
仮面を砕くにしても、玉兎に戻ったから角剣も使えないし。
いや、ランに使ってもらう手もあるかな?
あとは、ランの必殺技、流星衝ならいけそうなのですけど。
ですが、あれは助走が必要なので屋内では使いにくいのです。
せめて体育館くらいの広さがなければ。
最終手段は自分の角で魔神撃?
アルミラージ時代の角でAランクの角剣が出来たわけですからね。
玉兎の角で魔神撃ならそれ以上の威力が出せるはずなのです。
ただ、下手に攻撃しても、さらに腕とか足が増えてしまいそうなのですよ。
やるならば、防御手段を削ぎ落とした後に、即座に仮面を割らなければ。
でもそうなると、弱体化したわたしとランだけでは手数が足りないっぽいんですよね……。
うーーーん。
と悩んでいると。
「ミラお姉ちゃん!リルが助けに来たのよ?」
肉声⁈
まさか、リルも眷属になったのですか⁈
振り返るとそこには。
2本の足で立ち、腰に手?前足?を当て、得意げなドヤ顔の角うさぎの姿が。
……えーっと。
もしもし、リルさんや。
いったい、いつからピータ◯ラビットになったのですか⁈




