間話 その25 スクヴェイダー 前編 やっぱり、リルじゃあダメなのかなぁ……。
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これからも楽しんでいただけると幸いです。
『……うーん。』
目を覚ますと、目の前には人間の顔が見えたの。
「よかった。気がつかれましたね。
ご気分はいかがですか?」
この人は……たしかお姫様のお姉さんだったっけ?
ミラお姉ちゃんとお話してたの。
『……大丈夫だけど、ここはどこなの?』
「神殿の中ですよ。
リル様は女神の化身に呪いをかけられ、ミラ様に襲いかかったところを無力化されたのです。
その後、わたくしたちと一緒に、ミラ様に安全な場所に転移していただきました。
ここは月神様以外の神々を祀っている部屋ですね。」
思い出したの!
変な言葉が聞こえたと思ったら、急にミラお姉ちゃんを殺したくなって……。
「呪いは解いたので、もう大丈夫です。
月神様の加護がなければ、わたくしでは手が出せなかったでしょうけど。」
目の前の人が何か喋ってるけど、リルの耳にはまったく入ってこないの。
……だって、またミラお姉ちゃんの足を引っ張っちゃったから……。
目が熱くなって、涙が出てくるの。
リルは、ランちゃんみたいに賢くないから、せめて戦うことくらいは役に立ちたかったのに。
それなのに、呪い?にかかったからって、ミラお姉ちゃんに攻撃しちゃったなんて!
優しいミラお姉ちゃんは、きっと笑って許してくれると思うけど…………リルは自分が許せないの…………。
「リル様?急に泣かれて、どうかされましたか?
どこかお怪我でも?」
お姫様のお姉さんが話しかけてきたの。
この人もミラお姉ちゃんを尊敬してたから、いい人なのよね?
『……怪我はしてないの。
それよりも、レイちゃんやお姫様も呪い?を解いてほしいの。』
この人は、お姫様よりも先にリルの呪いを解いてくれたみたいなの。
本当は自分の妹が心配なはずなのに。
ミラお姉ちゃんだったら、どうするのかな?
やっぱり、リルたちを先にするのか、それともお姫様を先にするのかな。
よく分かんないけれども。
そんなことよりも。
リルは部屋の中の神さまたちの像を見上げるの。
リルはもっと強くなりたいの!
ランちゃんが羨ましいの。
賢くて、ミラお姉ちゃんの役に立ってるのに。
ルーナ様の眷属になってもっと強くなったし、きっと今までよりもっと役に立てるようになったの。
神さま。
どうかお願いなの。
リルにも家族を、ミラお姉ちゃんたちを守れる力が欲しいのよ!
目を閉じてお祈りしても、何も起きないの。
お姉さんが呪いを解いたのかな?
後ろでレイちゃんが起きた気配がするの。
また目が熱くなってきて涙がこぼれ落ちたの。
やっぱり、リルじゃあダメなのかなぁ……。
『そんなことはありませんよ?
その心根に免じて、そなたの望みをかなえましょう。』
果たして、リルに声をかけたのは何者なのか⁈
∑(゜Д゜)
①月神
②太陽神
③地母神
④邪神




