玉兎 その149 ゴチン!お仕置きその2!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いです。
ランに神殿の前庭の復元を指示して、レイには巫女さんを連れて下に降りて来るよう伝えたのです。
リルはわたしの腕の中。定位置ですね。
ふー、やれやれ。疲れたけど皆無事に済んでよかったのです。
土魔法で地面をならしていくラン。
わたしも手伝おうかと思ってたら、上から若い女性の悲鳴が!
なにごと⁈
「きゃーーーー!」
見上げたわたしの目に入ってきたのは。
お姫様抱っこで巫女さん?を抱えて、神殿の屋根から飛び降りてくるレイなのですよ!
なにやってんですか!?
着地時に風魔法で勢いを緩めて、フワッと地面に降りたのですが。
巫女さん?は固く目を閉じて震えているのです。
……うちの愚妹が申し訳ないのです……。
「ママ姉ちゃん!レイたちが勝ったのデス!」
お姫様抱っこをしたまま走り寄ってきたレイ。
巫女さん?を下ろして、わたしに抱きつくつもりだったっぽいですが。
恐怖体験をした巫女さん?がつかんで離さないので、ちょっと眉をひそめてムッとしたのです。
コラッ!自分がしでかしたことに気がつかないばかりか、失礼な態度をとるんじゃない!
わたしはレイの頭に(軽く)ゲンコツを落とすのです。
ゴチン!
「痛ーいのデス!?」
「レイ!巫女さん?が怖がってるじゃないですか!
人を抱えたまま、急に高いところから飛び降りてはいけないのです!」
「……ゴメンなさい……デス。」
しゃがんで涙目になって謝るレイなのです。
「謝る相手が違うのです。
ちゃんと巫女さん?に謝るのですよ?」
レイはようやく落ち着いてきた巫女さん?を下ろして、頭を下げて謝ったのです。
よし。それでいいのです。
わたしはレイの頭を撫で撫でしながら、巫女さん?に向き合い話しかけるのですよ。
「あなたが月神様の巫女ですね?
ご助力に感謝するのです。
わたしの名前はミラ。
月神ルーナラーナ様の眷属、玉兎なのです。
妹が失礼したのですね、申し訳ないのです。
ケガはないですか?」
いつもの「魔物使い」の自己紹介をしようかとも思ったのですが、全部知ってる人には今さらですよね。
わたしが急にレイにゲンコツくれたので驚いたようですが、その後抱きついてくるレイの頭を撫でるのを見て安心したのですかね?
クスッと微笑んで応えたのです。
「初めまして、ミラ様。
わたくしが当代の巫女を務めさせていただいております、クリスティアと申します。
こちらこそ、従魔を遣わして神殿を解放してくださり、ありがとうございます。
わたくしに感謝するには及びませんわ。
月神様の神託に従っただけですから。
それに、あれほど強大な魔物です。わたくし達だけでは到底太刀打ち出来ず、公都は壊滅していたでしょう。
退治していただきまして、重ねて感謝いたします。」
と言うと、片膝をつき深く頭を下げたのです。
フィリーといい、クリスティアさんといい、戦闘侍女の人もそうですが。この国は女性の方がまともな人が多いのですかね?
まあ、まだサンプルが少ないですけど。
でも少なくとも、あの残念セクハラ公子よりは、ずうっっっと好感が持てるのですよ。




