アルミラージ その17 聞き捨てならない称号
今のわたしのステータスはこんな感じなのです。
アルミラージ lv4 ♀
名前無し
ランクD
HP 178
MP 245
STR 99
VIT 81
AGI 185
MGI 279
スキル
魔力撃 魔力感知 魔力操作 魔力視 鑑定
身体強化 気配感知 隠密 バックスタッブ 逃走
称号
ゴブリンキラー ウルフキラー 暗殺者 罠を張る者 隠れ潜む者 保護者
フッフッフッ。順調に強くなっているのです。
この調子なら草原で無双状態、のんびりスローライフも近いのです。
いや、すでに無双状態と言っても過言ではないのですよ!
同格のオークさん達も瞬殺したのですから!
それにしても魔力の伸びがすごいのです。
まあ、魔力撃に身体強化を多用、というか常用しているから当たり前なのですが。
魔石も食べまくっているのですし。
魔力撃や身体強化が無ければ、アルミラージはスピード型のヒットアンドアウェイするタイプだったのですね。
人間に例えるなら軽戦士やフェンサータイプなのです。
今ではすっかり、魔力でゴリ押しの蛮族、それも奇襲大好きな草原の原住民なのです。
狙い通りなのですがね!
うん? 称号のところに聞き捨てならない文字があるのです。
『保護者 自分より弱者を保護した者。世話焼きの成功率が少し上がる』
だ! れ! が! 保護者なのですか⁈
あれはあくまでも居候なのですよ!
それに、世話焼きなどしていないのです!
水場に連れて行ったのも、角を尖らせたのも、傷口を舐めたのも、自分がイライラするからやっただけなのですよ!
自分のためにやったことなのです。
他意はないのです。
あんな人真似ばかりする子角うさぎなど、どこで野垂れ死にしようとわたしには関係ないのです。
ただ、目の前で死なれたら寝覚めが悪いから、仕方なく助けてやっただけなのです。
だけなのですよ!
ふーっふーっふーっ……!
落ち着くのです。
称号なんぞ気にしないのです。
なんだかんだいって、成功率がアップするって言ってのですし、もらえるボーナスは全部もらっておくのです。
それよりも、数十分でスィートマイホームを作れるのですから、今日中にあと二つは作りたいのです。
そうしたら、旧スィートマイホームにいる子角うさぎを迎えにいって、新居にお引越しするのです。
フン、重機のように素早く巣穴を掘れる、このアルミラージ様に驚くといいのですよ!
別に引越ししたくなければ、そのままそこで暮らせばよいのです。
好きにすればいいのですよ。
というわけで、さらに別邸を建設するのです!




