玉兎 その138 あだだだだだだっ!!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
くっ……!
油断があったのですか⁈
まさか、あの巨体で転移してくるとは!
害鳥は、わたしの上半身を巨大なかぎ爪で鷲掴みしているのです。
腕も翼も一掴みにされて動かせないし、転移で逃げようにも、魔法を使う前に魔力を相殺されてしまうのですよ。
しかも、力任せに爪を立てて握りしめてくるし……!
あだだだだだだっ!!
痛い痛い、痛いってーの!このバカちんが!
刺さってる!背中にブスッと刺さってるっぽい!
身体超強化プラス、金剛力、金剛体プラス、龍鱗で全力防御しているので、筋肉を突き破って内臓に届くほどではないのですけれど。
ありがとう、龍鱗!
お前がいなかったら、今頃スプラッタでモザイクがかかっていたかもしれないですね!
わたしから吹き出す神気に当てられて、触れているかぎ爪がボロボロと表面から崩れて剥がれているのです。
ですけれども、剥がれるはじから回復しているようなのですね。
龍鱗と金剛体で防御力が上がっているうちに脱出しなければ!
ふんむむむむっ!
グギギギッ!
両腕と翼を力づくで広げようとするのですが……。
わずかに緩むくらいで、びくともしないのです!
なんでやねん!
身体超強化と金剛力を使っているわたしの筋力は今、二万近くになっているはずなのに……!
体勢の不利があるにしろ、もう少しなんとかなりそうなものですが……。
これは、こいつのパワーを上方修正しなければいけないかもしれないですね。
兎にも角にも、このままやられっぱなしはまずいので、全身を駆使して暴れるのです!
ふん!ふん!
ぐぬぬぬ!
ぷはー。外れないよう……。
あっ。金剛力切れた。
敵も切れたっぽいですけど……イダダダダッ!
またか……!痛いってばよ!
こうなったら、無理な体勢だけどもこっちも爪を立ててやるのです!
神気と魔力をこめた左手の爪で、魔神爪撃!
かぎ爪の手のひら?部分に食い込むわたしの爪。
ほ〜れほ〜れ、痛いのですか〜?
嫌ならさっさと離すのですよ〜?
グリグリと抉っていると、奴はわたしをつかんだまま……建物にぶつける気ですか⁈
こ、金剛体……は使ったばっかりだからクールタイム中!
ちょっ……!待っ……!
ドガン!!
いったーーーーーい!
容赦なく後頭部からいきやがったのですよ!?
せめて前頭葉方面からいってくれれば、立派な一対の角が邪魔して、そうダメージにはならなかったのに!
い、いやいや。神獣変化する前に石壁に突っ込んだ時も、打撲とたんこぶくらいで済んだのですからね?
神獣変化プラス、身体超強化中のわたしの防御力ならば、たとえどんなに勢いよくぶつけられても、壊れるのはわたしの頭じゃなくて石壁の方なのですよ!
痛いことは痛いのですけれどね!
石壁と正面からケンカして勝つ後頭部。
ミラさん石頭説が発生しましたね。
(^◇^;)




