間話 その24 アセナ 後編 眷属への進化と家族の絆
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いです。
……なるほど。
それならば苦戦するのも仕方ないかもしれませんね。
『……納得いたしました。
ご主人様がお優しいのは身にしみて分かっておりますので。
口では面倒だの、仕方ないだのとおっしゃいますが、結局は助けられる命は助けてしまいますからね。
わたしもレイも、リルお姉様もそれで助けていただきましたし。』
『うん、そこがミラちゃんのいいところなんだけど、今回は不利に働いてしまっているんだよ。
そこで君に来てもらった、というわけだね。
ただ、進化はできるけど、そのことでラン。君とミラちゃんの絆が切れてしまうかもしれない。
それでも助けてもらえるかい?』
月神様のお言葉にわたしは不安になります。
ご主人様との絆が切れるとは?
『それは……いったいどういうことでしょうか。』
『君には僕の加護とともに名付けをして、一気に僕の眷属である神獣になってもらう。
しかし、そのことでミラちゃんの従魔ではなくなってしまうんだ。
ミラちゃんとの繋がりは僕を通しての間接的なものになる。』
『もし進化しなければ、ご主人様は負けてしまうのですか?』
『分からない。ただ、勝率は著しく下がるし、勝てたとしても無傷とはいかないだろうね。』
それをお聞きして、わたしの覚悟は決まりました。
『分かりました。進化をお願いいたします。』
『本当にいいんだね?』
『はい。ご主人様が傷つかれるくらいならば、従魔の繋がりなど惜しくはありません。
もちろん残念ではありますが……。
それに以前、ご主人様はこうおっしゃいました。
「鎖やリードで繋がなくても、わたし達は家族の絆で繋がっているのです!」と。
たとえ従魔でなくなったとしても、わたしがミラお姉様の家族であり、群れの一員であることに変わりはありません。』
わたしの言葉を聞き、頷く月神様。
『……そうか、分かった。
さすがはミラちゃんが選んだ家族だね。
ラン、君も僕のことをルーナと呼んでいいよ。
まあ、いずれは僕も家族になるわけだし!
義妹として、これからもよろしくね?』
『はい、よろしくお願いいたします。ルーナ様。』
ルーナ様はわたしに歩みより、わたしの頭に手を置かれました。
『それじゃあ名付けるよ?
君の新しい名は『ユウラン』
愛称は今まで通りにランでいいかな?
これで君は僕の眷属になった。
……今すぐには、僕は直接地上に介入できない。
僕の代わりにミラちゃんを頼んだよ、ラン。』
わたしの中に清らかな何かが入り込んできます。
これが神気でしょうか。
体が作り替えられていく不思議な感覚……。
わたしはルーナ様にお応えいたします。
『もちろんです。
お任せください、ルーナ様。
必ずや、ご主人様をお守りしてご覧にいれます!』
今ならば、不可能なことはなにも無いと思えるほどに、全身に力が溢れています。
待っていてくださいね、ミラお姉様。
すぐにランがお助けに参ります!
ルーナ様の笑顔に見送られて、わたしは地上に戻りました。
ランの名前は、中国語で玉狼と書きます。
玉蘭でもいいですけど。
これで、今年最後の投稿です。
年をとると、月日の経つのが年々早くなっていく気がしますね。
今年は、自分にとっては色々とあった年でした。
書き溜めた『角うさぎ』の投稿を始めたこと。
兄が亡くなったこと。
職場で店長ともう1人が異動して、補充が店長1人しか来なかったこと。
しかも、その店長が複数店かけもちで週に二、三日しか店にいないという。実質、2人抜けて0.5人補充くらい。
まあ、当人はとても頑張っているのでなにも言えないんですけどね。
(^_^;)
兎に角、皆さまお体に気をつけてお過ごしくださいませ。
良いお年を。
『なのです!』
ψ ψ
(๑╹ω╹๑ )ノシ




