玉兎 その132 神獣変化!はじめてのばにーがーる(服の下はね?)
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると幸いです。
光刃を右手に持ち、傷は治したものの左手足を血に染めて、瓦礫から出てきたわたしを見て驚く野次馬連中。
わたしは念話で避難を促すのですよ。
『強大なアンデッドモンスターが現れたのです!
危険だから早くここから離れて!』
念話を聞いて半信半疑ではあるものの、あたりを見渡し、巨大な漆黒の鳥らしき魔物を見て……。
「ば、化け物だ!」
再び蜘蛛の子散らしで逃げるのです。
ちょっと迂闊でしたか?
できればパニックにはならないで欲しいのですけど。
それでも、わたしや黒鳥の周囲から逃げてくれれば、それでいいのです。
大通り沿いでなかったことも不幸中の幸いですね。
被害者が桁違いで増えてしまうところだったのです。
わたしは再び誰のだか分からん家の屋根に飛び乗り、宙に飛び立った黒鳥(特大)を見るのです。
黒鳥(特大)の周囲はすでに瘴気で汚染されているようですね。
さらに羽ばたくことで、結果的に広範囲に拡散しているのですよ。
逃げきれずに瘴気にまかれ、顔色を悪くして倒れ伏していく人々。
……わたしは眉間に皺を寄せるのです。
青筋もたっているかもしれないですね。
マンガでいうところのお怒りマーク。
……別に他人間がどうなろうと、本来ならわたしたちが関与する必要はないのですけれども。
それでも、わたしと黒鳥(特大)の戦いの余波で死んだり、ケガされたりすると、若干の寝覚めの悪さを感じるのですね。
能力の分からない強敵を前にして、余裕ぶっこいてる場合じゃないのも承知の上で。
助けられる命は助けるのです!!
慈悲深いわたしに感謝するのですよ⁈
目を閉じ、全身に神気を漲らせつつも祈るのです……。
……ルーナ様、お力をお借りするのです。
アンデッドに身を落とした、哀れな神獣に安息を与えるために。
そして、瘴気に害される無辜の民を守るために。
『オッケー!』
軽っ⁈
ええい!ツッコミはなし!
神気解放!神獣変化!
カッ!と、目を見開くと。
わたしの体から黄金の光が吹き出し、溢れてまわりを祓うのです。
地上を覆いかけていた瘴気もろとも。
そして。
わたしは、白銀に輝く鹿の角に兎耳、金色の獣毛が生えた両手足、背中からはドレスを突き破って黄金の翼が広がる…………バ、バニーガールの姿になったのですよ!
しかし!
ドレスを着たままだから、レオタード状態は見えていないのです!
ぃよっしゃー!
着たまま変化ならバニーガール姿はお披露目しないで済むのですよ!
これからは着衣で神獣変化するのが基本ですね!
敵の能力は現状ではおそらく上。
しかし、神獣変化すれば互角以上に戦えるはずなのです。
もはや、羞恥心で出し惜しみしている状況ではないのですよ!
この姿を見せたからには、勝利あるのみ!
覚悟するのです!
『神獣ミラ(第二形態)があらわれた!』
コマンド?
>たたかう
まほう
どうぐ
にげる




