玉兎 その131 初手、風属性ブレス?アイタタタ……。
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
今日は、「魔力チートな魔女になりました〜創造魔法で気ままな異世界生活〜」のマンガ版2巻が届く予定なので執筆はお休みです。
カサイサンの次回作にご期待ください。
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
屋根の上を跳んで黒鳥に近づいていくのです。
あと二軒先くらいですか?
黒鳥は自分が現れた屋敷を壊しながら、ゆっくりとこちらに向かっているのです。
バキバキと音を立てているので、周囲にいた人たちがなんの音かとそちらを向いた後に……。
「な、なんだよ、あれは⁈」「きゃー!」「逃げろ!」
などなど叫んで、蜘蛛の子を散らすように逃げていくのですよ。
一般人が戦場にいられても迷惑なので、これはこれでよし。
さっさと離れるのですよ!
逃げる人たちを横目に屋根から跳躍したら、黒鳥(特大)の首がこっちを向いたのです。
そして息を吸い込む動作を……まさか⁈
何かを吐き出す動作を目の端におさめながらも、思考加速、並列思考発動!
周囲の時間が遅く感じる中でも、空間を微妙に歪めて近づく見えざるナニカ。
しかも速い!
風属性のブレスですか⁈
防げるか分からないですが、風魔法で結界を張りつつ、角剣に魔力と神気を全開で注ぐのです!
角剣から伸びた光刃で斬りつけようとするのですが、速さが足りない!間に合わない!
ならば、身体超強化+金剛力金剛体!
力技で角剣を振り抜くのですよ!
バァン!!
破裂音とともに吹っ飛ぶわたし!
そして、後ろに建っていた家?塀?に背中から突っ込んだのですよ!
ドンガラガッシャーン!
……あいったー……。
久しぶりにまともなダメージを受けてしまったのですね……。
自分の体を確認すると、背中と後頭部に打撲あり。
たんこぶ付き。
まあ、石壁を砕く勢いで突っ込んで、たんこぶで済むんですから、我ながら大概チートなのです。
それよりも、角剣を振った右半身は無事ですが、左腕と左足がズタズタにされたのですよ。
血まみれで、ドレスの袖と裾もボロボロ。
あちゃー……。
借り物のドレスをやっちゃったのですね……。
庶民の給料、何ヶ月分か分からんですけど、後でフィリーに謝らないと。
まあ、あの娘のことだから、笑って許してくれると思うのですけれども。
申し訳ないついでに、ビリビリの袖を破って捨て、スカートの左側を裂くのです。
左肩が見え、スカートにスリットが入り腿まで見えているのですけど、これで少しは動きやすくなったのですね。
すでに自己再生が始まっているのです。
骨は無事ですが、筋肉まで浸透してるっぽい。
これはひょっとして、風というより衝撃波とか超音波でも飛ばされたのですかね?
超音波でそんなことができるか分からんですけど。
っと、のんびり考えてる場合じゃないのです。
黒鳥(特大)が追撃してくるかもしれないですからね
『ミラお姉ちゃん!大丈夫⁈』
わたしは自分を魔法で癒しながら、立ち上がり応えるのです。
『多少ケガはしたのですが大丈夫ですよ、リル。
今も治療しているので問題はないのです。
それよりも、敵は風属性のブレスか特殊な攻撃を持っているようですね。
ドラゴンと同じく、頭の向きに注意するのです。』
『分かったの!ミラお姉ちゃんも気をつけて!』
瓦礫の山から抜け出すと、現状を認識していない野次馬がチラホラ。
黒鳥(特大)は巨大な翼を羽ばたかせ、黒い煙……瘴気?を撒き散らしながら飛び立とうとしているのですよ。
野次馬ども!
危ないからどっか行って欲しいのです!




