玉兎 その126 残念公子改め、セクハラ公子。うひぃ!気持ち悪っ!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
これからも楽しんでいただけたら幸いです。
いつまでも動かないので、困ってお姫様の方を向くのですが。
フィリー姫もなぜか顔を赤くして、こっちを見ていたのですよ。
ちょっと!
姫様まで見惚れないで欲しいのです!
話が進まないですからね!
再度、コホンと侍女の人キャシーさんが咳払いをすると、皆動き出すのです。
……もう、石化(嘘)解除役でキャシーさんを連れて歩くべきですかね?
なんて冗談ですけど。
ハッと気がついた残念公子が身を乗り出して、急にわたしの手を握ってきたのですよ。
ドン引きのわたし。
一応は相手の立場が上だから、力づくで離すわけにもいかず。
残念公子は顔を紅潮させて、鼻息も荒く迫ってきたのですよ!
「そなた、ミラ殿といったか⁈
わたしの妻に……正妻は無理だから側室にならないか⁈
未来の大公の側室になれるのだ!悪い話ではあるまい?」
「お兄様!」「公子殿下!」
フィリー姫とキャシーさんの咎める声も気にせず、わたしの手を撫でくり回す残念公子!
うひぃ!!
気持ち悪っ!
サブイボ立ったのです!
残念公子の側室にされて、美味しく(比喩でなく性的に)いただかれてしまうなんて、勘弁して欲しいのですよ!!
わたしはせいぜい丁寧な手つきで残念公子の手を引き剥がすのですが、しつこくまとわりついてくるのですよ。
いい加減に腹が立ってきたので、ちょっと強めに振り払おうかと思っていたら。
わたしと残念公子の間に、フィリー姫が割って入ってくれたのです!
ありがとう、お姫様!その2!
初対面の女性にベタベタ触るとか、失礼なのです!
世が世ならセクハラ裁判まっしぐらなのですよ⁈
立場を笠にきてもいるからパワハラでもあるのですかね?
まあ、この世界にセクハラなんて概念は無いのですけど。
「お兄様!わたくしの恩人に失礼な真似をしないでくださいまし!
それに、初対面で求婚するなど……!それも側室に!
大公家の一員として恥ずかしくないのですか!
それにミラ様には婚約者がいらっしゃるのですよ⁈」
一気に捲し立てるフィリー姫の勢いに押され気味の残念セクハラ公子。
それでも負けずにムッとして反論してくるのですよ。
「た、たしかにいきなり言いよったことは済まなかった!
だが、この方……ミラ殿のためにも、わたしの妻となる方が良いのではないか?
大公国公子であるわたし以上の者など、この国にはいるまい。
なあ、ミラ殿。婚約者など捨てて、わたしの元に来ないか?
第二夫人ではあるが贅沢な暮らしをさせてやれるぞ?」
……久しぶりに。
カッチーン!
ときたのですよ?




