玉兎 その121 わたしはミラ。魔物使いなのです。
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m(_ _)m
これからも楽しんでいただけると嬉しいです。
コホン、とキャシーさんが軽く咳払いをすると、石化(嘘)から回復するお迎えの人々。
慌てて深く頭を下げて挨拶をするのですよ。
「お帰りなさいませ、姫様。
ご無事でなによりでございます。」
代表して執事(仮)のおじさんが口上を述べると、一斉に、
「「「お帰りなさいませ!」」」
と声をそろえてのご挨拶。
……めっちゃ揃っているのですけど、練習とかするのですかね?
どっかの新入社員の研修みたく、密室に並んでひたすら挨拶だけするとか。
あるいは、山の中で木々に向かって大きな声で決意表明とか。
馬鹿なことを考えてる間に、お姫様がお出迎えに応え、その後こちらに視線が集まってきたのです。
「出迎えご苦労様。
ええ、なんとか無事に帰ってこれましたわ。
それもすべて、こちらにいらっしゃるミラ様のおかげなのです。
紹介いたしますわ。
こちらはミラ様。魔物使いでいらっしゃいます。
道中、アンデッドの魔物に襲われたところを助けてくださいましたの。
ミラ様がいなければ、きっと大きな被害が、それこそ護衛に死者が出ていたことでしょう。
わたくしたちの恩人ですから、丁重におもてなししてくださいね。
ミラ様。こちらはサバス、大公家の執事長ですわ。」
執事長(確定)がこちらを向き頭を下げるのです。
「執事長のサバスと申します。
以後、お見知り置きを。」
こちらも礼を返すべきですよね。
カーテシーとかちょっとしてみたかったですが、この世界の今の時代においては存在しないらしいのです。(お姫様談)
それにリルを抱っこして手はふさがっているから、普通にお辞儀をするのですよ。
「わたしはミラ。魔物使いなのです。
魔法も使うのですけどね。
わたしたちは森の奥で育ったので、礼儀作法はよく分からないのですよ。
ご無礼があったら申し訳ないのですが、よろしくお願いするのです。」
執事長はニッコリと微笑んだのです。
「いえいえ、ミラ様は充分に礼儀正しいかと思いますよ。
当家のメイドにも見習わせたいほどですな。」
と言うと、意味ありげな視線をわたしたちの後ろに向けたのです。
気配感知で探るまでもなく、視線の先は別の馬車から降りてきたメイドちゃんですね。
やっぱりねー。そういう認識ですよね。(苦笑)
まあまあ、メイドちゃんは心ばえが良いですから、総合得点は悪くないのですよ?
あとは、教育と本人の努力次第なのです。
「さて、長旅でお疲れでしょう。
客室にご案内いたしますので、ひとまずはゆっくりとお休みくださいませ。」
フー。第一関門突破。ですかね?
なんだか、また冗長になっている気がする……。
一話千文字前後だから、そんなに長くはないですけど、もう少しサクサク進められないものか。
σ(^_^;)




