アルミラージ その14 くっそ羨ましいのです!
改めて自分の角を研いでいくのです。
進化して角も固くなり研ぐのも一苦労なのですけど、力も強くなったし割と簡単に済んだのですよ。
螺旋状の角なので側面を尖らせれば、自然とフランベルジュのように波打つ刃状になっていて、いい感じなのです!
今回は左右だけでなく、上下も研いでやったのです。
これで正面から一刀両断! も可能なのです!
角に満足したら次は迷彩を施すのです。
河原の砂場や泥で、またまたスリスリゴロゴロ。
だから、マネするんじゃないのです!
お前は普通の灰まだら柄なのですから、迷彩はいらないのです。
まったく、嫌味なのですか!
それでも灰まだらにさらに泥迷彩がついて、めっちゃいい感じに仕上がっているのです。
目を閉じてじっとしていれば、目の前にいても気づかれないかも……なのです。
くっそ羨ましいのです!
あっ、傷口に泥がついて、また涙目になっているのですよ。
自分の口では届かない場所なので、舐めることもできないのです。
さっさと川で洗えばいいのですが、涙目でプルプルと震えるばかり。
ぁぁあああ、もう! 仕方のないやつですね!
子角うさぎに近づいて、右後ろ足の太ももあたりにある傷口をペロペロと舐めてやるのです。
ペッペッ、泥を吐きだすのです。
まったく頭の悪い角うさぎなのですよ。
まあ、人間の思考力があるわたしと比べるのはかわいそうというものなのですけどね!
そういえば、この子角うさぎの鑑定をしていなかったのです。
ではおもむろに、鑑定! なのです。
角うさぎ lv1 ♀
名前無し
ランク G
HP 15
MP 8
STR 12
VIT 10
AGI 18
MGI 7
スキル
逃走
称号
なし
うん、弱いのです。
ゴブリンより、オオカミより弱いのです。
最弱なのです。
子供なのを差し引いてもダントツなのですね。
さすがなのです。
これは逃げてもしょうがないのです。
逃走のスキルも身につくというものなのですよ。
っと、この子角うさぎ、メスだったのですね。
まあ同性の方がいくらか気が楽なのです。
……うさぎの性欲って何気に強いらしいのです。
発情期に追いかけ回されるのは勘弁して欲しいのですよ。
さて用も済んだのでさっさとスィートマイホームに帰るのですかね。
その後は、新居の場所探しとお肉を狩るのです!




