間話 その19 月神の巫女 神託は下されました!
いつも、つたない作品をお読みくださいまして、ありがとうございます。
m(_ _)m
すみませんが、続きが上手く書けずに手が止まってしまっているので、小休止をいただこうと思います。
とりあえず二週間を目安に、次の展開を考えて続きを書きたいと思います。
何度もお休みして申し訳ありませんが、宜しくお願いいたします。
『アイルビーバック!なのです!』
ψ ψ
(๑╹ω╹๑ )
神殿がボーダン侯爵によって占拠されてからひと月ほど経ったでしょうか。
その間に数回、神官たちと面会できただけで、あとの時間は一人自室に閉じ込められているか、神殿の診療施設で治癒魔法を使っているかのどちらかです。
幸いと言っていいのかわかりませんが、今のところ亡くなった方への復活魔法の行使はしていません。
その料金が金貨百枚と法外に高く、即座に支払うとなると大貴族か豪商といった、とりわけ富裕な方たちしか依頼できないようですから。
神官長たちを人質にとり、あまつさえわたくしの大切な妹、フィルリネアの身の危険まで仄めかされては、侯爵の言葉に従わざるを得ませんでした。
不安で心細くはあります。
いきなり神殿を武力でもって従わせてきた侯爵ですから、約束を守ってくれるかもわかりません。
ですが、今のわたくしにできるのは祈ることだけ。
月神ルーナラーナ様からいただいた加護を私欲のために使うことを懺悔し、不埒者たちに神殿を占拠されたことを謝罪します。
あつかましいですが大切な妹や神官たちの無事も祈らせていただきました。
その日の朝もいつものように祈っていました。
自室に跪き両手を組んで一心に祈っていると……。
突如、頭の中に美しい中性的な声が聞こえてきたのです。
これは……月神様からの神託!
『我が巫女よ。そなたの不遇を見過ごしてしまい、すまなかったな。
そなたたちの身を解放するために、我が眷属たる神獣を遣わした。
その者はすでにそなたの妹の身の安全を確保して、神殿に向かっている。
その者の名はミルラーナ。
我が眷属玉兎であり、同時に我が伴侶にと望む者でもある。
玉兎としての姿と人としての姿を見せておく。
この者に出会ったならば、信じてすべてを委ねるよう。
きっとそなたの望みは叶うであろう。』
頭の中にルーナラーナ様の美しいお声が響いてくると同時に、眷属である神獣様のお姿が浮かびます。
そのお姿は……。
鹿のような白銀に輝く角。
鷲のような黄金の翼。
フワフワとしたピンクブロンドの艶やかな毛並みも美しい、可愛らしいうさぎと。
同じくピンクブロンドの艶やかな髪。
透けるような白い肌。
大きく輝く真紅の瞳が印象的な、美しい少女のお姿でした。
その瞳は強い意志を宿して輝いていましたが、同時に深い優しさを持ってわたくしを見つめているようにも思えました。
ひと目見て、このお方なら安心してお任せできると分かります。
そして、月神様がどれほどこのお方を大切に思われているかも。
……ああ!感謝いたします!
生と死、そして復活を司りし月神ルーナラーナ様!
わたくしたちを救われるために大切な眷属を遣わしてくださり、なおかつ、わたくしの妹までも守ってくださって!
このまま生きる希望もなく治癒魔法を使い続け。
神に身を捧げたのにも関わらず、最後にはあの強欲な侯爵の妻にでもされるのではないかと不安に思っていたのですけれども。
希望は神託として下されました……!
わたくしは自室で跪き、涙が流れるままに感謝の祈りを月神様に捧げ続けたのです。




